[093]おくってくんな
「おくってくんな、アホ」
これは最近私のところへ寄せられることが多いメールの文面です。多分携帯電話電話からメールだと思いますが、じつは私自身意外と気に入っています、これ。
メールマガジンを発行していると色々なメールをいただきますが、その中には望んでいないのにメールマガジンが届いてしまうがあるらしく、購読の解除の仕方もわからず、どうしていいかと迷った挙句、こういう文面のメールを返信してしまうものと思われます。特にi-modeの場合は最悪で、望んでいないメールにもパケット代がかかってしまいます。これには誰もが頭にきますね。
さて、メールマガジンが登録もしていないのに届いてしまうことが現実にあるのでしょうか?これはゆゆしき問題ですが、実際にはあると思います。
といっても、マガジンの発行者は読者のメールアドレスを知らない(知らされていない)のですから、登録のしようがありません。ということはそのメールアドレスを知っている誰かが、本人に知らないうちに登録しているということになります。
まず、考えられるのはいたずらです。本人の友達あるいは悪意を持っている知人が本人に内緒で人のメールアドレスで勝手にマガジンを登録します。すると望んでいないマガジンが届くようになります。
でもこの方法は発行スタンドから必ず確認メールが来るようになっているので、その時に「ノー」を表明すれば登録はキャンセルされます。
もう一つは懸賞などのアンケートに応募した時。これは個人情報を提供するわけですから、メールアドレスがどういう風に使われるかは本人の知らないところです。会員登録をすると自動でメールマガジンが届く仕組みになっているところもあります。懸賞のアンケートに応募する時はそれなりの覚悟が必要です。
また、ホームページにメールアドレスを公開していると、それをネット上を徘徊しているロボットが収集し、収集したメールアドレスは高値で売買されます。そしてそのアドレス宛てに望まないメールが届くようになります。
ところで「おくってくんな、アホ」と怒りのメールをぶつければ、私はこの送り主に100万通のメールを送りつけることができます。怒りのメールはアドレスが生きていることの証拠になってしまうわけです。つまりこういうメールはかえってさらに危険なわけです。
あと、よくあるのですが「このメールが不要のときは、その旨返信してください」というもの。だまされてはいけません。うかつに返信すればメールアドレスが生きていることを公言するようなものです。危険ですね。
このように考えると、もはや要らないメールを拒否すること自体、無理だということがおわかりだと思います。
ではどうしたらいいのでしょう?
一番いいのは、一切無視すること。これに限ります。返事はしない。不要だからといって「おくってくんな」メールを出さない。しつこいメールはメールソフトの振り分け機能で自動削除にする。
もともとインターネットは「無料の場」です。そこをタダで使わせてもらうのですから、いかなることがあっても自己責任だし、何が起こっても他人に文句をいう筋ではないのです。
ところが、人間というのは勝手なもので、環境に適合し始めると、今度は自分にとって居心地の良い場所にしようとします。必要なものだけを取り入れ、不要なものを排除する。やがて、不要なものに対して怒るようになる。
インターネットでは、自分に有用な情報だけを拾い出し、不要なものは読み飛ばす。こういう精神が不可欠なのです。