[055]JR西日本の携帯電話対策

以前ほど携帯電話で大声でしゃべっているワカモノ&オヤジは少なくなりましたね。だいぶマナーが浸透してきたように思います。まだまだだとは思いますが。

さて、先般JR西日本は、混雑した車内で携帯電話などを使っている乗客に対し、車掌が直接やめるよう注意することを決めたそうです。10月1日から混雑時の使用を禁止したところ、電話で会話する乗客は大きく減りましたが、電子メールのやりとりをしていたり、マナーモードにしている乗客は依然いるようです。

車内での携帯電話が問題となるのは混雑時に所構わず大声でしゃべるのが迷惑ということ以外に、心臓ペースメーカーに悪影響を与えるというのが主な理由。つまり携帯電話に電源をいれて置く事自体が問題視されているのです。

確かに、ペースメーカーを使っている人からすれば命にかかわる問題ですが、どうも釈然としないところがあるのも否めません。JR西日本が今回このような措置にでた背景はなんであろうかと考えるとどうもよく見えないんですね。

まず、携帯電話というのはいつどこでも使えるというのが最大の利点です。それを満員電車に乗るたびに電源を切るというのはどんなものでしょうか?心臓ペースメーカーを装着している人は全国で30万人くらいいるらしいですが、そのうち何人の人が満員電車に乗っているのでしょうか?

そういう人たちのために電源を切ること自体に異論はありません。しかしあのラッシュ時にいっせいに電源を切る姿を考えると滑稽でもあります。しかもそれって使えない携帯電話じゃん?

それより以前の問題として、携帯電話がなぜペースメーカーに良くないのか?これだけ普及している携帯電話です。ペースメーカーの機能を狂わせるということははじめからわかっているのですから、なぜペースメーカーに影響を与えない携帯電話を作れないのか?また、そういう大事な点について叫んでいる人が居ないのですね。これが不思議。

私は、なにより「それじゃ、ペースメーカーを使っている人は携帯電話の恩恵を受けられないということ」が大問題と思います。飛行機に乗ると離着陸の際電源を切るように指示が出ます。これだって技術でクリアできると思うのです。なんか普及に力入れている割には、メーカーはそういう基本性能に無頓着だなと思います。

使っちゃいかんと言う前に、どこでも使えるようにしてほしい。そう願うのは無理でしょうかね?私がJRの経営者ならどうするか。顧客のサービスを考えたら車内の携帯電話禁止ではなく、万人が快適に使えるように、携帯電話禁止車両でもまず作りましょうか。