[257]ペット同伴~食品店の場合~
先日飲食店へのペット同伴は特に法律で禁止していない、と書きました。つまりよくある「保健所の指導によりペットの同伴は禁止されています」というのはウソである、ということ。そんな指導はしていないというのが実情です。
保健所関係者もじつは困り顔。
では、飲食店ではなく、食料品売場や薬局はどうなんでしょうか?
これらも、じつは特に禁止する法律はないのです。つまり、食品スーパーやコンビニ、薬局であっても基本的にペット同伴することは可能なのです。ただし店主が許可した場合のみです。法律で禁止されていないから同伴を強要するのはご法度です。店主の意向は民法で保障されています。衛生上の問題があるため、食料品店や薬局はペット同伴をお断りしているのが普通ですが、店主の意向で今後はペット同伴可の食料品店や薬局が出現する可能性もあります。
食品売り場や薬局は法律の縛りはないものの、店内を衛生的に保つ義務があります。これは保健所でも指導していること。具体的には、動物を店内で飼う事はできませんし、犬や猫を店内で歩かせることもできません。お客が連れてきたペットがうっかり商品を舐めてしまうこともNGとなります。つまり事実上店内に入れることは非常に難しいことであり、それを守るためには店としては、相当な努力と細心の注意をペットの飼い主に課さなければならなくなるのです。
そして、もしも商品や店に損害を与えた場合は飼い主には損害賠償の責任が生じます。つまり、食料品店やコンビニ、薬局がペット同伴を禁止するのは、ペットの飼い主に余計な負担をさせないための紛れもない配慮だということがいえるのです。ペットを飼っているかたは「ペット同伴禁止」というと必ず憤慨します。しかし怒る前に、一歩踏み込んで考えればそれは自分の為だ、ということを理解する必要があるでしょう。
問題とならないペット同伴とは?
まず、店内を歩かせることはできないので大型犬は希望薄です。小型犬でかつ抱いて入店する、あるいはペット専用のバッグなどに入れて入店する。これはかなり許容されます。ペットバッグにおとなしく入っていればそれと気がつかない人もいるくらいです。
ペット専用のカートを設置しているショッピングセンターは入店を許可しているとみなされますので、特に拒否されることはないと思います。ただし、これもおとなしくしていられるかどうかであり、カートの上でおしっこをしたり、吠えたり、唸ったりする犬は遠慮するのがマナーだと思います。
ペット同伴に関して一番困っているのはじつは「店主」なのです。ペット好きの人もペット嫌いな人もお客様には変わりありません。しかしこの両者に挟まれ「あちらを立てればこちらが立たず」。日々葛藤に悩んでいる実情を忘れてはなりません。
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