[158]ペットとマナー
消費者金融アイフルのＣＭで活躍するチワワ犬が大人気です。これに乗じてドコモの二本足で歩く柴犬も人気上昇中とか。ちなみに、アイフルに出てくるチワワ犬の名は「くぅーちゃん」。二歩足で歩く柴犬は「つくちゃん」という名です。いずれも訓練を重ね、高い競争率のオーディションをかいくぐってきた名優です。そんじょそこらの飼い犬とはちょっと努力が違います。
しかし、名優に続け、というわけではないでしょうが、今は空前のペットブーム。ペットショップのデータによれば、やはりＣＭに登場している、チワワと柴犬は一番人気で売れているとか。願わくば衝動買いではなく、よくよく吟味して買われていることを願うばかりです。
というのも、ペットとして飼われている犬猫が結構近所迷惑になっている例が多いのです。そして、一番困っているのは近所ではなく、飼い主本人という事実も見逃せません。
かわいい外見に魅せられて犬を衝動買いしてしまったものの、いざ飼ってみたらよく吠える。無駄吠えは飼い主のしつけでほとんどクリアできるのですが、その知識もなく購入してしまったりします。そして仕事を持っている人は愛犬と接するのは一日のうちわずかな時間のみ。これでは肝心のしつけはできません。
人がいる夜や休日はいいとして、留守の時間犬はどうしているのでしょうか？飼い主もいなくどうしていいかわからないのです。不安に駆られ、人が来れば吠えるようになります。留守している間に無駄吠えして近所迷惑になっていることを多くの飼い主は知りません。
私は近所で留守中に無駄吠えしている犬がいると、その飼い主に「留守の間よく吠えてますよ」と教えてあげます。するとほとんどの飼い主が知らなかったとびっくりします。そしてその後が気の毒。いつも留守に吠えいるのではないかとびくびくしているのです。癒しを求めてペットを飼ったのに、かえって精神をすり減らしてしまう。これでは本末転倒です。
ペットショップにも原因があったりします。何も知らない初心者に無駄吠えしやすいシェルティ等の犬種を安いからといって売りつけている例が過去多くありました。買うほうも最初は安い犬でいいやという感覚もあったでしょう。しかしシェルティは牧羊犬で吠えるのが仕事の犬です。無駄吠えするなというほうが無理です。最近では、初心者には無駄吠えしやすい犬種であることを前もって知らせているようですが、そうとは知らず、せっかく買った犬なのにやむなく処分する羽目になった人は多かろうと思われます。
ペットを飼うということは、家族が増えるということです。つまり一生の付き合いとなります。犬猫とはいえ１５年は付き合うことになりましょう。最初はかわいがってもそのあとないがしろでは可哀想です。飼い主はいいでしょう。ペットに飽きてもほかにいろいろ楽しみもあるでしょうから。しかし檻の中や鎖につながれているペットには「あなた」しかいないのです。生涯を共にすると約束したのなら最後まで面倒見ましょう。それがペットを飼う最低限のマナーです。
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