[035]お疲れ様

終業時刻が過ぎたら退社するわけですが、さっさと帰る人となかなか帰らない人がいたりします。さっさと帰る人は大体いつもさっさと帰ります。なかなか帰らない人はいつもなかなか帰らない。いつまでも会社にいる人が仕事ができるかというとそんなこともないようです。会社というのは不思議な場所ですね。

日本人の場合、仕事は「キリのいいところまでやる」というのが美徳とされていて、これは仕事を引き継ぐ次の人への思いやりということではいいのですが、場合によってはいつまでやってもキリが無いということもあります。

アメリカなどではキリのいいところまでやるという習慣は無い様で、終業時間となったとたんに、持ち場から離れてしまいます。これもどうかと思うのですが、長時間体制で就業しているときは、時間を過ぎたら次の人の仕事ですから、さっさと持ち場を離れるのもマナーといえます。

通常こういう場合は、引き継ぐ人は早めに入って、引継ぎ時間がすぎたらそれまでの従業員がすぐに上がれるよう配慮したいものです。先に帰る時は「お先に失礼します」といって帰ります。残っている人は「お疲れ様」と返答してあげましょう。

「ご苦労様」という言葉があります。これは目上の人が目下の人の労をねぎらう言葉とされ、目上に人には使うものではないとする会社が多いです。目上の人には「お疲れ様でした」という言葉を使います。言葉の意味を考えたら、「ご苦労様」も「お疲れ様」も同じく「労をねぎらう」言葉です。ですから、使い方としては目上にご苦労様でも間違いではありません。しかし、会社というのは礼儀に関しては封建的なところですから、つまらないことで後ろ指差されても損なので、目上の人には「お疲れ様」と言うんだということにしておきましょう。