[24]肉体関係、戦慄の構造!

以前、システムの盲点と題して多重恋愛が横行できることを挙げた。次々に異性を紹介され、重複交際を防止するための手だてもないため、不埒な考えも起こるのではないか、と。その時点では、誠意が失われていくのではないか、二股、三股があるのではないかという程度の、単なる私の憶測であった。
しかしその後、読者や加入者からの情報をもとに改めて考えてみると、私が思っていた以上に不誠実な人がはびこっているらしいことがわかってきた。(もっとも今でも憶測の域を脱してはいないが)。いわゆる、肉体関係を目当てに活動している人がいるだろうということである。事実、初めて会ってどこへ行こうかという話になり、「ホテル」と言った男性がいた、という話を間接的に聞いた。
仮に、私は30万近くの大金を叩いて加入したという意識があるが、人によっては端金かもしれない。結婚するのは面倒だけど、恋愛やセックスは必要としている男性がおり、風俗で玄人相手にしたのでは味気ない(または飽きた)と思ったとしよう。恋愛を楽しみながら簡単に素人女体をゲットできる方法して、適当に相手を変えながら遊ぼうと思えば遊べる30万円は安い買い物だろう。
オーネットに加入している女性は、恋愛したい、結婚したいと思っている、言わば愛と性に飢えている素人女性だ。性に飢えているという表現は語弊があるかもしれないが、女性の場合、愛とセックスは連動しがちだ。セックスは愛を育む上で大切だ、結婚を前提として付き合うのだからセックスがあって当然だ、性の相性もあるし、と女は思う。
そう考えるのは、何もオーネットの出会いに限らない。婚前交渉が当たり前の現代、ましてや結婚情報サービスで出逢った相手に誘われれば、その確率は極めて高い、ということだ。もっと言えば、結婚をエサにされると、男のレベルも下げて体を許す女性がいるかもしれない。
意図的であったにしろ、なかったにしろ、肉体関係を持った後、結婚に至らず別れたとしても、合意の上であればどうしようもない。「ま、気持ちいい思いをしたのだから、いっか」と気にしないのか、遊ばれたのかもしれないという悔しさを噛みしめながら泣き寝入り気分になるのかは当事者の性格や価値観によるのだろう。
後者は他言せずに心で封印してしまう節があるのでセックス目当ての男性にとっては好都合だ。もちろん前者も好都合だ。もっと悪意に満ちた言い方をすれば、上司や同僚・友達に紹介された女性を「やり捨てる」と非難されるし人間関係にも支障を来すだろうが、オーネットで出逢った女性をやり捨てても、隠密に済んでしまうということになる。やはりこのシステム、問題ありではなかろうか。
本城愛子

[15]毒された多数

ジェンダーフリーという言葉をよく耳にするようになった。そして早くも、この言葉が敬遠されようとしている。フェミニストの一部が、この言葉を多用したことに依るものだろう。
ジェンダーフリーの意味は、おおまかには、人を男女の枠にはめない、という単純なものだ。
枠にとらわれず、好きなことをすること。男女の両方を楽しむこと。
これが、職業選択の自由と、いったいどこが違うかね?
それとも人は、生まれながらにして職業を決められないといけなかったかね?
男が男らしく、女が女らしく――などというものは、本来、避けるべきものだよ。
むしろ男が女らしくあり、女が男らしくあったほうがいい。バランスをかんがえればね。実際はそうあるべきだよ。
そもそも男女の質は違うんだから、歩み寄ろうとしても、完全に歩み寄れるものではないよ。
ただしだよ、男が女らしく、女が男らしくあれば忌み嫌われないかね?
あなたは排除しようとしはじめない?
それはつまり、彼らが少数派であるためかね?
少数派は、いつも人々から忌み嫌われ弾圧を受けてきたよ。
これは多数が多数派でいられるための保身と、少数派への嫉妬と恐怖がそうさせるのさ。
こういった行為は、人がはたらいた悪事のなかでももっとも醜いものの一つだよ。
考えてもみてほしい。多いからといって正しいわけでもなければ、少ないからといって悪いわけでもない。ただ、多数派がみずからの都合のために少ないものをつぶしてきただけ。これを醜いといわずして、なにを醜いというね。
どうして共存しようとはしないのかね?
そんなに相手のことを尊重できないかね?
少数と多数だけじゃないよ。男女はなぜ、尊重しあえないね?
つよい立場のサイドは相手を蔑視し、よわいサイドは卑屈に迎合してゴマをする。今の男女の姿だよ。
これは、嘆かわしいことじゃないかね?
今、相手を蔑視しているのはどちらかね?
そして、へりくだっているのは?
民主主義もおなじことだよ。過半数を握ったものが勝利となる決まりだが、多数派が少数派を理解するよう努めれば、なんと円熟したものになるだろうね。
白黒ですべて割り切れるものでないよ。勝ち負けで割り切れないことだってある。
男女のどちらかに、あなたを強要など、本当はできやしないんだから。いつもあなたの手には選択が握られている。
そして覚えておくといいよ。枠をはなれ、自由を得れば得るほど、円熟味が必要になることをね。
椎名蘭太郎