[081]ディジョン運河公園

既に何度か紹介していますが私が勤務する会社は、ホテルバージ(滞在型観光船)と呼ばれるタイプの船でフランスの河川や運河をクルーズする会社です。本社はディジョンにあるけれどうちの船はフランス各地をクルーズしているから全てがディジョンにある訳ではなく数隻ならあります。
私は海外で仕事をすると水に関係する勤務地が多く、以前はレマン湖が見え、ヴィクトリア港が見えたりと船や港、水が見えるところばかり。何かの縁なんでしょうね。日本を出るまでは山に囲まれた所だったのに。海は好きでないけれど湖や池は大好き。運河が今一番のお気に入りの水辺。
運河が好きな理由には潮流がないこと。いつも静かだし海のようなベトベト感がない。特に会社の傍にある運河はうちの会社のような観光船以外にもたくさんのプレジャーボートや個人所有のハウスボートがあったりして綺麗。私はここをひそかに「ディジョン葉山」「ディジョン江ノ島」と呼んでいる。まぁ葉山や江ノ島とは全く比較にも成らない位に小さな港ですが、一応に港。


この運河に魅せられるのは私ばかりではなく、毎朝多くのジョギングランナーや犬の散歩の人にすれ違う。お昼の時間になるとご近所の人が魚釣りしてる。夕方になると仕事を終えたか学校を終えた若い人たちが運河沿いに広がる芝生の上でイチャイチャと、ちょっと私には刺激的過ぎる。やはりフランス。椅子やテーブルを持ってきて井戸端会議のようなミニピクニックの人もいる。
いろいろな様子が伺えるこの運河で私が一番好きなのは、船が水門を抜けるその瞬間。門がゆっくりと開き、せき止めていた水が反対の方へ流れ込み、滝のようになり船がのっそり、のっそりと入り込んで行くその瞬間。ため息が出るくらいに美しい。ブルゴーニュ運河の水門は未だに門番が手で開けるから余計にそれが迫力あって好き。人の手で開けるから時々事故もありうちは大迷惑、営業妨害を受けることもあるけれど、それでもやはり人の手で開ける水門が美しいと思う。
ディジョン運河公園に来るなら駅前ロータリーの先から出るバス6番、Motte Grion行きに乗り、Ste Chantal下車。道路を渡りその先にあるアパルトマン街を突き抜けてまっすぐ行けば運河に出ます。運河沿いは公園もあるしベンチもあります。バス停前にはお惣菜パンが美味しいパン屋があります。ちなみにうちの船はシェフとエスカルゴのマークの船です。
パン屋:Maison Louot
午前6時から1時、午後3時15分から7時30分
日曜午後と月曜休
夢路とみこ