[205]パリで賢く食生活(1)

パリは生活費が高いと聞いていたが、東京並みの家賃を除けばそうでもない気がする。むしろ家賃や物価は安いけど買い物の選択の幅が狭いディジョンの方が結局高くついていたのではないかと今更ながらに思う。安い家賃で居候させてもらっているから、掃除と食事の仕度は積極的にやらせてもらっている。船に添乗の時は朝のお粥作り、部屋の掃除、通訳、翻訳と全てしなければならないので、別に苦にはならない。
私の住むアレジアという地区は、家事担当の私にとって東京並みの便利さに嬉し泣きが止まらない。まず、駅の付近には午後22時頃まで営業しているスーパーが数件ある。日曜日だって午前中なら商店街も営業中。パリはノルマンディーにも近いから魚屋さんが多く、またとても新鮮。ちょっと高いのが気になるけれども、でもお刺身もどきの料理を久々に作る楽しみが出来た。またここは、「パリ荻窪」とでも呼びたいモンパルナスまで徒歩で20分程度だから、ちょっとしたお洒落な買い物にも難なく出来る。
こちらのスーパーに入って何度か軽い、嬉しい衝撃を味わった。一般的なスーパーに「生しいたけ」や「もやし」が普通に野菜売り場に、量り売りで、当たり前のごとく並んでいるではないか。ディジョンなら中華食材の店にちょっと高い袋入りもやしがあるのみ。さすが都会だな、アジア人がもちろん多く住んでいるだけでなく、その食材もこちらの生活に融合している事を確認。ちょっと迷惑な話だと思ったのは「渋柿」が売っている事。日本なら「渋柿」は干し柿となって美味しく食べれるのに、こちらでは「生」。フランスなら「渋味」でも美味しいのかなと思い試しに1個買ってみた。食べたその瞬間は「ちょっと口元に渋みが残る」と感じたけどその程度だろうと思い外出。散歩の途中で急に身体に変化が。映画館に入り映画を見ていたら体が熱くなり脂汗に催す吐き気。トイレでしばらく休憩。憔悴し切った身体を引きずるようにして帰宅、一晩熱にうなされて翌日には体力が回復。いやーこの渋柿を食べる仏人の度胸と体力にあっぱれ!
スーパー「ED」は食品中心のディスカウントストア。豊富な品揃えではないけれどでも安い。オリジナルブランドが中心で高品質とは言えないけれど日常の食生活を支えるには十分。グルメで食いしん坊の私は、パリの高級食材店とディスカウント店の2間ををやじろうべいの如く往来しながら都会での食生活を満喫中。
夢路とみこ

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