[212]とんでもハップン(3)

日曜日の朝、朝市に出かけた。パリは月曜日を除いてほぼ毎日、朝、夕とマルシェ(市場)が立つ。これがまた面白い。何が面白いかというとカルチエ(地区)ごとに特色があり、扱っているものもさまざまなので毎日違うマルシェを除いても飽きが来ないところ。マルシェ巡りはきちんとした観光ツアーのプログラムになりえるものと確信してる。
例えば13区ベルヴィルの朝市。エディット・ピアフが生まれた地区として知られる他、パリにおける中華街としても人気が高い。私も和食の食材を買い集めるときはこの界隈に買い物に来る。毎週火曜日に立つこのマルシェはBellevilleの駅からその先3駅までとにかく長い露天街となる。中華街とアラブ街が近いせいか置いてある果物や乾物にその特色が現れて、行ったことないけど気分だけはもうモロッコのカスバか香港のチムチャーツイ。首を360度回転させてもまだ見足りないくらいに見所たくさん。アリババの洞窟!
もちろんこんな場所だから気をつけなければならないのはスリ。それは肝に命じてた。でも、命じてなかったのが、マルシェの緊張感を駅で崩しちゃいけないってこと。この日出かけたのはBellevilleと同じくらいに距離のあるConvisartコンヴィサールのマルシェ。こちらは一般的な食材が中心だけど最近の私の興味はチーズ。面白いチーズ屋を探してマルシェを歩いています。このマルシェは幾つもチーズ屋があり品揃えが立派。見学中は貴重品に気を使いながら写真を撮っていたけど終わって駅についたときは緊張がほぐれすぎてホームの椅子にハンドバッグを置き忘れたことも忘れてメトロに乗車。駅の改札に来て始めてバッグの無いことに気づく。駅員さんに連絡しても盗難じゃないなら警察に行けとだけ。駅から最寄りの警察まで徒歩30分、日本だったら交番とかあるじゃん、とぶつぶつ。
警察に着いた。おまわりさんに事情を説明する。その時はバッグをホームの椅子に置き忘れたのか、擦られたのか、落としたのか、頭の中が真っ白で興奮していて思い出せない。擦られたなら、擦った人の人相があるはずだ、落としたならどの辺か検討かつくはずだ、とおまわりさんに諭されるものどうしても思い出せない。でも、紛失届だけは出さないと。
この日は天気も良く、気分も爽快だったのですが、脳天気なものですからとんでもハップンの一日になってしまいました。この続きは次号にて。
夢路とみこ
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