先々週「なっちゃん事件」と題し、派遣のトラブルについて書いた。いくら人ごとと言えど、ああいったもめごとはもう見たくないな、なんて思っていた私だが、そんな気持ちとはウラハラに社内ではまた様々な事件が相次いでいる。
この間は人事部に入ってきた派遣の女の子がなんと2日間でバックレてしまった。「こんなところで働けないわ」という強いポリシーが“バックレ”という道を選ばせるのか、それともみんな「諦める」ということに馴れてしまっているのだろうか。
あまりこういったことが続くと「2年も続けてきちゃったけど、この会社って、そんなにひどい会社だったのだろうか」なんて錯覚に陥ってしまう。多少なりとも嫌なことがあっても「世の中こういうものだろう、しばらく我慢しよう」なんて考えてしまう自分が、妙に古臭い考え方を持った昔の人間のように思えてしまう。
そんなピリピリムードの中、また私の悩み事が1つ増えることになった。実はうちの部は4月から“増員”というかたちで、派遣の女の子を1人取るのだ。
部長からは「同じ派遣会社だし、同じ女の子なんだから色々面倒みてあげてね」といわれ、更には「その子がうちの業務に合うか合わないかは山口さんの判断に任せるから、感じた事を教えて欲しい」とまで言われた。
「出たよ。おいおい、そんな契約までしたつもりないぞ。それを見極めるのはあんたの判断でしょうが!しかも業務がこんなに忙しい時期に!私面倒なんてみれないよ。バックレられても知らないよ。」というわけで、例によりまた立腹状態になった私は、派遣会社に詰め寄った。
とにかく今現場は非常に忙しく、ゆっくり手取り足取り教えられる状況ではないということ、いきなり決まった出来事だったので、引継ぎ書なるものすら作っていず、今後も作れそうに無いということ、その上で「ひどい部」という烙印を押され、辞められてしまっても私は責任を取れないということ、等を一通り伝えた。
そして「4月から来ることになっている人にその旨伝えて欲しい。何故なら、きてからその忙しさ、煩雑さに驚かれても困るから」と言った。
すると営業は「それは言えません」というのだ。予想していなかった回答ではないにしろ、やっぱり私の頭の中は「?」でいっぱいになり、またまたキレるはめになった。
「あんたさ、それを伝えておくのがあんたの仕事でしょうが。やんわりとでも伝えておいてくれないと困るの。状況を多少知っておいた方が向こうも心の準備ができるでしょうが。っていうか、うちの部は心の準備しておいてもらわないと困るくらいずさんなところがある部なわけ。それ、わからない?」
すると「でもこれから就業される方ですから。そんなことを伝えたら、ビックリして憂鬱になってしまうでしょうから」なんて戻ってきた。
あー、そういえば。その営業は私の担当になってから半年近く経つのにも関わらず、データシートを見ないと、私が配属する部署名も言えなかった。バタバタしている大変な現場ということが全くと言っていいほどわかっていなかったのだ。
冷静に考えてみたら、それじゃ次に来る人に“現場の説明”ができないのも無理ないよな。
私は呆れて物も言えず、結局その電話を切った。いったいどういう仕事をしてるのかねー、M社は。「人と人」としての対話ができないばかりか、営業として「やらなければならないこと」「やる必要のないこと」の違いを全然わかっちゃいない。
「やっぱり再度支店長に伝えて、営業変えてもらうしか道ないな」と考えた私は派遣会社に電話をしたのだが、支店長は外出中。折りかえしの電話すらなかった。
おーい、私は誰に頼ればいいんだよぉ。これじゃ派遣会社の営業とスタッフの私の立場がまるで逆じゃないか。
辞めるまでまだまだ私の苦悩は続きそうだ。
2002.03.29