先週「テンプトゥーパーム」のことを書いた。その後もうちの会社のテンプトゥーパーム第一号の彼女は頑張って、バリバリやっている。通りすがりにこっそり盗み見ると、殆ど席もはずさず、率先して電話をとっている。
お盆期間中、「たまにはいいよな」と久し振りの“暇な時間”に酔いしれ、フラフラ別の部の友達のところに出向き、迷惑もかえりみず無駄話に花を咲かせていたような私とは大違いだ。同い年なのに、すごいなー。偉いなー。と関心してしまう。
先日また彼女とロッカーで一緒になった。「山口さんはもうここ長いんですよね?だったら正社員でとってもらうこともできるんじゃないですか?」と言われた。思わず「おっ、きたな」と思った。私は今の企業で1年半ほど続けているわけだが、周りの人に「正社員になれば?」と言われることがこのところ増えてきた。
確かに正社員は魅力だ。ボーナス、退職金、交通費(私が現在登録してる派遣会社は交通費の支給は無し)それだけとったとしても派遣に比べりゃ至れり尽せりだ。
ふっと心が傾く時もないわけではないが、私はやっぱり「派遣」でいたいと思う。
今の仕事は好きだ。面倒でバカバカしい処理なども多いが、1年半もやっていたらその面倒なこと自体が不思議と“いとおしく”なってしまった。人間関係してもそうだ。もちろん「やっかいなこと」はある。「とっつきにくい人」もいる。でも「どこに行ってもそんなもんだろう」と思うとそれが自然と“いとおしく”なることもある。
そんな風に感じているのに、私は正社員になることにとまどいを感じる。
不思議だが「いとおしい」と思えば思うほど「ここは私の居場所ではない」という思いも強くなっていくのだ。
私は派遣であることによって、今の会社の人間関係や仕事を一歩ひいたところで見ている。今までは“そのスタンスが心地いい”というだけだった。しかしその先を考えると、一定の距離をおき「ここは私の居場所ではない」と感じることによって、見えてくるものも沢山ある。それは派遣のメリットだと最近思うようになってきた。
「私なりに感じたことをぶつけ、もっと快適に仕事ができるように変えていきたい。」
そんな気持ちでいる間は私は敢えて、この“派遣としてのインスピレーション”を大切にしていきたいと思っている。
「やっぱり“派遣”で頑張ろう。」それが、優柔不断な私が久し振りに出した前向きな結論だ。さあ、明日も張り切って行こう。
2001.08.30