[01]昭和の子供

2019年4月27日

第1回
■昭和の子供
昭和も古くなりました。筆者は昭和二年生まれの今年で79才になります。
前天皇の大正天皇がお亡くなりになったのが大正15年12月25日でして即日元号が「昭和」」と改元されましたので、昭和元年というのは7日しかありませんでした。
ですから昭和は実質二年からと云うことになりますね。
よく「戦前」「戦後」と云うように分けて云いますが、これは世の中の生活状態や人々の考え方が全く違うようになってしまったからです。
「戦前」とは昭和19年までのことで、「戦後」とは昭和20年以後の事を言います。
昭和一桁生まれは昭和9年までの生まれのことで、昭和19年の時は10才ですから少しだけ世の中が見えてきた年代と云えるでしょう。
みなさんはこんな唱歌が作られたことをご存じでしょうか?
明治・大正はなんとなく暗い感じがしていたのでしょう。ですから皆さんが昭和に期待され、その中で特に子供に期待を寄せられていたんだと思いますね。

「昭和の子供」・・
♪ 昭和 昭和 昭和の子供よ僕たちは
姿もきりり 心もきりり
山 山 山なら富士の山 行こうよ行こう
足並みそろえ タラララ タララ タララララ ♪

昭和と云う黎明期を迎えた筈の日本がこれからとんでもない日々を迎えることになろうとは誰も思ってはいなかったと思うけれども実は直ぐに起きた。だが本稿では昭和一桁でしか知らないことを書いて行くのが目的だから政治的の問題は出来るだけ避けて、一般庶民の・・特に子供達の生活を主体に書いて見たいと思います。
しかし、社会情勢や世界情勢などを無視することは出来ませんので少しだけ触れることにしましよう。
昭和になったばかりの2年に時の大蔵大臣だった片岡さんが大きな失言をした為に「昭和の金融大恐慌」が発生してしまったのです。各地の銀行に取り付け騒ぎが起こり、小さな銀行がバタバタ倒れると云う騒ぎとなりました。これが引き金となり世界的な大恐慌となってしまったのです。
一般市民が連日銀行に預金を引き出しに押しかけたので銀行にお札が足りなくなって来ました。
そこで慌てて新札を発行しましたが、印刷が間に合わず裏には印刷されずに昭和二年四月二十五日に200円札と50円札が発行されましたが、実際には使われなかったようです。世に言う「裏白」の紙幣で幻のお札になっています。骨董市場では数百万円の値段がついて居るようです。
昭和一桁生まれと云っても此の当時の社会情勢や経済情勢などは知るよしもありません。ですから少しづつ記憶を辿りながら書いて行きたいと思います。