[59]お昼休み?水雷艦長?

2019年3月21日

第59回
■お昼休み?水雷艦長?
お弁当を食べ終わると、子供達は一斉に運動場に飛び出します。なにしろ全校生徒は1500人もいたのですから、たちまち一杯に成ってしまいます。男の子は活発ですから、どうしても男の子中心の遊びになって仕舞います。女の子は校庭の隅に追いやられてしまう結果となります。隅の方で縄跳びをするのがやっとのようでした。その頃は男の子は女の子と遊ぶことはありませんでした。
男の子は主にボール遊びでした。特にゴム毬で「M」マークのついたボールは子供達の夢のボールでした。ゴムの質が最高に良かったです。ただボールに「M」と入っていただけですが、これは1個10銭もしたんです。普通は2,3銭くらいのものでしたから、すごく高かったです。
このボール遊びは、今と同じようにキャッチボールをするか、「蹴球」と云って自分の陣地を決めてバールを蹴って陣地に入れる遊びです。ボールは小さいですが現代のサッカーと同じ遊びだった訳ですね。ですけど何しろ校庭が一杯ですから、こう云う場所を取る遊びは向いていません。
そこで学校は鉄筋の三階建てでしたから、ボールを三階に届くように投げるんです。そして落ちて来たボールを受け止めて又投げる・・と云う様な単純な遊びです。
もう一つ3人で一組、之が2組あれば面白いゲームが出来ました。6人が集まれば出来るので夢中でやったものです。
これは「水雷・艦長」と云う遊びです。3人が先ず自分の陣地を作ります。もう一組の3人も離れた場所に陣地を作ります。そして3人の中、一人は帽子をまっすぐに普通に被ります。之が「艦長」です。もう一人は帽子のツバを横にして被ります。これが「駆逐艦」です。そしてもう一人が帽子のツバを後ろ向き被ります。これが「水雷」です。対抗するもう一組も同じようにします。
ルールは簡単で要するに「三すくみ」の方法です。つまり動き回るのは「水雷」で、これを撃沈するのは「駆逐艦」ですから、校庭の中で「鬼ごっこ」です。陣地には「艦長」が居て、これが「水雷」に捕まってしまえばゲームはおしまいです。「駆逐艦」は「水雷」を目の色を変えて探します。
「艦長」は相手の「駆逐艦」を探して捕まえます。兎に角「水雷」捕まえなければ勝ち目がありませんし、また他の陣地に捕らえられた者を救い出すことも出来るんです。
こうして時間一杯遊びましたが、この遊びは校庭が一杯の方が相手を見つけることが難しいので面白いです。
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