FERRARI 512BB
フェラーリ512
1984年式フェラーリ512BBi
SPEC:
全長4400x全幅1830x全高1120mm
車重1515kg
乗車定員2名
駆動方式:ミッドシップエンジンリアドライブ(MR)
エンジン:4942cc水平対向12気筒DOHC(360ps、46kg/m)
最高速:302km/h
Profile:
1971年に365GTBBの名でデビュー。その後73年に量産型が登場、76年に排気量を5Lに拡大した512BBにバトンタッチ。512とは5L12気筒を表すようにわかりやすい名前になった。
ランボルギーニのカウンタックを生んだのはこのフェラーリだ。ランボルギーニさんがフェラーリに不満を持たなかったら、カウンタックも生まれなかったろう。
カウンタックに比べるといかにもおとなしいスタイリング。だけどこのスタイリングこそ大人のスーパーカーの証し。今見てもこの落ち着きは風格さえ感じられる。
●フェラーリ512BB
最高速は200km/h以上、リトラクタブルヘッドライトをノーズに持ち、エンジンはミッドシップというものであった。その最たるものがランボルギーニのカウンタックだ。しかし、そのルーツをたどるとフェラーリにたどり着く。
フェラーリは有名なスーパーカーの工房だ。といってもスーパーカーを意識して作っているわけではない。速い車を作った結果それがスーパーカーだったというわけ。したがってそのクルマ作りには研究されたものがありまた伝統があり実際は地味なものだった。
他のスーパーカーがその斬新なスタイルやメカニズムを派手に取り上げていたのに対しフェラーリはそれよりも機能性や乗りごこち、安全性など普通のクルマと同じような理念で作られていた。もちろん速さもその中の理念にある。そういう意味ではフェラーリはきわめて普通のクルマだ。結果的に速いだけなのである。
その実証は20数年経った今評価される。当時のスーパーカーが荒削りでほとんど常用には耐えないのにフェラーリは無理すれば通勤の足としてさえ使える。乗り心地も秀逸。豪快なエンジンサウンドも愛好家には心地良いものとなる。すべてが洗練されている、それがフェラーリなのだ。
フェラーリ512BBは12気筒水平対向5リッターエンジンを搭載するフ古き良き時代のスーパーカー。512の「5」はエンジン排気量5リッターを、「12」は12気筒を表す。「BB」はベルリネッタボクサーの略で、ベルリネッタはイタリヤ語でクーペを意味し、ボクサーは水平対向エンジンのピストンの動きがボクサーのパンチに似ていることに由来している。
水平対向エンジンはピストンの往復運動が水平なためエンジンを薄く作ることができる。その薄さを利用し、ギヤボックスをその下にレイアウトすることでメカニズムをコンパクトにまとめることができる。その分、室内空間にゆとりが生まれるなど居住性を重視していることも見逃せない。フェラーリは快適に移動するためのツールとして常にクルマ作りをしているのである。
2000.06.19