男女はこの先どうなるだろうね?
どこへ、向かおうとしているのだろう?
男女のことを私はいろいろ言ってきたが、私の言うようになったら、社会がまとまらなくなる――と言う者もいるだろう。
実際、そのとおりなのだ。まとまりにくくなるだろう。
我々が今後、出あう問題は、男女間にかぎらず、むずかしいことばかりだよ。
大量破壊兵器がよい例だ。
我々の道具にすぎなかった物でも、そのちからが増せば増すほどとり扱いは難しくなる。
とり扱う者の意識レベルが高くなければ、到底、不可能となる。
単純で、たいしたことのない武器ならば、その管理能力もたいしたものでない。これが、核兵器や化学兵器となれば管理すること自体が困難となる。
男女においても同じことがいえる。
単純な形のままでいれば、なんら問題はない。
けれど、パンドラの箱は開いてしまった。
我々の意識レベルは上昇したのだ。
中学生から高校生と進学するように、我々の意識レベルもいつまでも子供のままではいられない。
いくら、子供の頃を懐かしくおもってもね。
こうして我々は、カオスの方角へと少しずつ動いている。
しっかりした枠や規則があったほうが楽ではあるが、大人になったからには管理されることに我慢ならないだろう。
では、男女はどうなる?
男は?
女は?
実際、男女がどうなるかなど分かったものでないよ。
答えはない。
答えのないなか、常に不確実ななか、我々はこれまでも、そして今後もゆかねばならない。理想を追いもとめ、理想にたどり着けない人々とおなじようにね。
解決できる問題など、この世界にはひとつもないのだからね。
男女は、今の与えられた条件のなかでベストを尽くすしかない。
ただ言えることは、やはり、自分らしくある――ということだ。
他者になど、憧れることはない。
無理をする必要などまったくないのだ。
スマップの「世界に一つだけの花」ではないが、確かにあなたにはあなたの輝きがある。
人は、自分と反対のもの、自分に無いものを欲しがるが、無理をしたときより苦しみはじめる。輝きが失せる。
あなたはあなたのままでいい。
無理に変わるのでなく、自然と変わるのだ。
あなたがあなたのままで在りさえすればいい。
それ以上のなにをもとめる?
それはなにより美しい。愛らしい。
それは世界で一つだけの、大事な、大切な生命なのだからね。
強引な変化は濁りを、自然の変化は輝きとなるだろう。
そして、自然の変化は無限の変化となるだろう。
椎名蘭太郎