ハワイに留学しているのに、日本人とばかり遊んでいた私にルームメイト(日本人)のクラスメイト、シンガポール人達がパーティーをひらくので誘われて行くことになりました。
私のルームメイトは私よりもはるかに英語のレベルが上なのでシンガポール人達と同じクラスなのです。(シンガポール人は母国で英語習うので、留学は大学卒業目的です)。ルームメイトの彼氏もシンガポール人でした。パーティーはあまり乗り気ではなかったのですが、たまには気分転換する必要もあるので行くことになりました。
すると、なんとなく懐かしい感じがするではありませんか。そう、シンガポール人達もタイ人と同様、みんな親切で、おもしろく、楽しくて、私は英語が上手に喋れないけれど、一生懸命耳を傾けて聞いてくれました。彼達は自分達が知っている日本語を私に話してくれて、とても楽しませてくれました。これをきっかけに私はシンガポール人達と一緒に遊ぶようになりました。私が宿題で困っている時は手伝ってくれたり、英語を教えてくれたり、おかげで私はすばらしい成績を取ることができました。
シンガポール人の友達の中に、「マイケル」という男の子がいて、私のことを気に入ってくれたんだけど、私は恋愛モードにスイッチが入りませんでした。マイケルは私にとってお兄さんみたいな存在だったので、一緒に出かけたりするものの、恋愛感情になるということになりませんでした。でもマイケルをはじめ、みんないい人達でした。数年後、彼らはハワイで大学を卒業し、シンガポールに戻って、それぞれ仕事に就きました。
ちょうどその頃、私と私の母、兄とでシンガポールへ旅行に行くことになりました。早速、マイケルに連絡を取り、会うことになりました。マイケルは私達のガイドになってくれて、いろんな所を案内してくれました。英語のわからない母には日本語で話してくれるし、私がシンガポール航空のユニフォーム(どこかで買えるらしい)が欲しいと言えば、店を探してきてくれて買ってきてくれたり、それはもう、いたせりつくせりでした。
母は大喜びで、「マイケルと結婚したら?」と言うまでに。ちなみに母は今でも、「マイケルはどうしてるのかしら?」とか「ともみはマイケルと結婚して欲しかった」と言います。私もマイケルのことは好きだったけど、友人としての好きで、最後の最後まで恋愛に結びつくことはありませんでした。でも今では最高の友人です。外国人の友人を持つって本当に貴重で素晴らしいことだと思います。
あなたも外国人のお友達作ってみませんか?
谷川ともみ
投稿者: 谷川ともみ
[05]ピュアな恋(その2)
パトラッピーの友人が私に「彼はタイレストランでアルバイトをしていたんだ。それがイミグレーション(移民局)に見つかってしまって強制送還されるんだ」と。それって、ハワイに居られなくなるってこと?
私は泣きそうになりました。友人いわく、パトラッピーはタイには帰らずにハワイを離れて彼の知り合いがいるアメリカ本土、バージニア州に行くつもりらしい。学校に来れなかったのは、移民局オフィスで拘束されていたらしく、それもあと3日以内にハワイを離れなければいけないらしい。私はあまりのショックに金縛りにあったような気がしました。
その夜、パトラッピーが私のアパートに来て、すまなさそうに事情を話してくれました。パトラッピーは私も一緒にバージニアへ行こうと言ってくれました。一瞬、その言葉は嬉しくて一緒について行きたいと思いました。彼のことを好きだし、できれば離れたくない。でもやっぱり行けない・・・「一緒に行きたいけど行けない」この言葉を伝えるのに2日かかりました。もうあと1日しか一緒にいられない。できる限り、私とパトラッピーは一緒に残り少ない時間を一緒に過ごしました。
飛行機の出発時間は夜の11時だったので、早朝から一緒にいました。私がげっそり落ち込んでいるのを見て、パトラッピーは一輪のバラの花を買って元気づけてくれました。パトラッピーは「離れていてもだいじょうぶだよ」と何度も言ってくれました。空港へ行く時間が近づくにつれて、私は気分が悪くなってしまい、やっぱり彼について行こうかと考え始めました。でも、最後は泣きながらパトラッピーを見送ったのでした。
その頃はメールというものがなかったので、ひたすら手紙を書きました。たまに電話で話もしました。私はハワイという場所柄、朝から夜まで忙しく、彼に対する寂しさも慣れていき、手紙を書く回数がだんだん減っていったのです。
寂しさを紛らわすために、日本人同士で遊ぶことが多くなり、パトラッピーの存在がどんどん消えていきました。残念ながら、自然消滅という形で終ってしまいましたが、彼はバージニアで大学を卒業し、タイに戻り、現在はタイ航空の客室乗務員をしています。1年に1回くらい、成田空港から電話がかかってきます。(残念ながら会ってはいませんが)私達は本当に短い交際期間でしたが、思い出はいっぱいで素晴らしい時間を過ごしたと思っています。
谷川ともみ