[043]ニュイ・サン・ジョルジュのボーリュ祭り

ディジョンとボーヌの間にあってこの二つの町が有名過ぎて見逃しがちなニュイ・サン・ジョルジュの町はブルゴーニュでも私のお気に入りのひとつ。ここは銘醸街道沿いにある町としては漏れる事もなく高級ワインを生産するドメーヌが幾つもありますが、葡萄畑のある傾斜の反対側ではキールでお馴染みのクレーム・ド・カシスを作る町としても知られています。
ニュイは日本とも所縁深く山梨県の一宮町が姉妹都市提携しています。来仏するまでは様々な国のワインを飲んでいましたが、日本のワインにもお気入りブランドが幾つか。その中でもこの一宮町で生産される「ルミエール」は一升瓶入りを購入しデイリーワインとして毎日の晩酌用。だからニュイに初めて来た時に一宮町と姉妹都市提携していると知り更に好感を持ちました。
ロマネ・コンティやクロ・ド・ヴージョの畑を見学するのならニュイからのタクシー利用が最も経済的です。これらの畑の周辺は全く何もなくお茶するカフェすらないのです。バス停はあるものの本数は限られ待ち時間が長い。ここならブラッスリーやブティークはもちろん、徒歩で行けるところにカシス博物館もあり、見学試飲が可能なワイナリーも充実しています。


新酒と言えばボージョレのヌーボーが一番有名ですが、ニュイではボーリュと呼ぶ新酒、もろみ酒の祭りが毎年10月の第4週末に開催されます。ヌーボーの場合、既にワインになっていますが、ボーリュの場合は発酵途中の物です。お味はちょっと濃度の濃い発泡性の葡萄ジュースみたいですがアルコールは既にしっかり出来ているので美味しさに釣られて何杯も飲むと足が取られてしまいます。
この祭りは屋内マルシェで開催されボーリュを中心に各地から新酒を掲げて来る製造者やワインのおつまみとなるハムやパテ、チーズの生産者も集合。ちょっとした食品物産展のようです。また11月にディジョンで開催される「国際ガストロノミーフェアー」の来賓国(今年はロシア)もディジョンとこれに掛け持ちで郷土物産展を開催します。
ワインの「もろみ酒」については日本にいる時からその美味しさを知っていました。秋に勝沼で行なわれるワイン祭りで飲んだ事があるからです。勝沼のメルシャンワイナリーで飲んだ事があります。今年の勝沼のワイン祭りがいつなのかは知りませんが機会があれば是非ご賞味あれ。
ニュイの観光局: http://www.ot-nuits-st-georges.fr/
ルミエール: http://www.lumiere.co.jp/
メルシャン勝沼ワイナリー: http://www.chateaumercian.com
夢路とみこ