[169]にわかブルギニヨン2

東京で外人ハウスに住んでた頃のある日、隣のスイス人が困った顔をして声を掛けてきた。勤務先の大学を3ヶ月休んで研究している日本の古典芸能を堪能しに来たけど歌舞伎以外は英語イヤフォーンがないから困ってる。もう1ヶ月にも経ったのに能も狂言も見に行ってない、助けてくれと。
可哀想だから能、狂言に付き合ってあげたら、今度は「回転寿司」に行きたいという。私の分だけで5000円以上も払わせたのは非業と思いきも、残りの2ヶ月は銭湯でオヤジと背中の流しっこ、立ち食い蕎麦、新橋のガード下でコップ酒を堪能し、帰国の日の朝、目を潤ませて「とみこのお陰で期待していた以上の体験が出来た。会えて良かった」と言った。その後も私は外国人向け「にわか都内観光局員」にさせられてしまった。
そう、旅行者がお決まりの観光地見学の次に味わいたいのはにわか現地人生活、ジモティ暮らし。外国語に多少の自信があってもそこは未知の土地、知り合いもいないから諦めるしかない。
私の周囲で日本語を勉強するフランス人はそう多くないけれど、皆頑張ってる。物価の差から日本人が渡仏する程にはフランス人は来日出来ない。漫画や留学生との会話では上達に限界がある。もっと話したい、もっと知りたい、と彼らの望みはどんどん膨らんで行くのにその方法がない。


で、とある日本語学習者に「観光客のにわかブルギニヨン体験を手伝ってみない?」と誘ってみた。私自身、仕事柄、日本からの観光客を接客し、その際に「おやじカフェ」や「お袋の味ビストロ」に案内し、郊外や市内巡回バスをフル活用してガイドブックにはないオリジナルでとってもローカルな案内を時折やるけれどこれが受けています。
私たちは公認ガイドでないのでガイド案内はしません。でも、ジモティらしい普通の私たちの生活を見せる案内をします。私たちが愛するディジョンをブルゴーニュをもっと知ってもらうためのお手伝いをする事で色々な人との出会いを楽しみながら語学上達に繋げなさい、と応援しています。
「火曜日の夜の多国語カフェ、キルケニー」で日本語のお喋りや朝からワイン浸りの「おやじカフェ」での朝食、朝市見学、郊外バスに乗って付近の村のお散歩などを日本語学習者の案内でにわかブルギニヨンしたい方、下記に日本語でお問い合わせ下さい。案内人への昼食代と交通費の負担が要ですが案内そのものは無料です。
BurgundyChary@aol.com
夢路とみこ
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