[208]スイスにて(1)

米国での大学を卒業して最初の就職先がスイスのローザンヌだった。私は当時23歳、JJ(Jeune et Jolie 若くて可愛い)で夢と希望に満ち溢れていた。赴任期間は約2年ほど。短期間だったけど厳しい上司に鍛えられて仕事でもプライベートでも男並になって帰国。あれから17年。その間に何度かスイスには観光には訪れたけど、そんなに長くはいない。ローザンヌに住んでいた頃は、フェリーに乗ってレマン湖を40分程度渡るとミネラル・ウォーターのエヴィアンがあり、高級保養地のその町のカジノへは同僚に連れられて何度か行ったし、それ以外ではワインや食料を買いにレマン湖を週末良く渡ったのですが。
バルセロナへの出張が入り、格安チケットを購入したら西へ行くのに東経由となった。空港での暇つぶしにまずはウィンドーショッピング。空港でのショッピングの楽しみはやっぱりワイン。その国がワイン生産国ならなお更楽しみ。どんな品種でワインを造るのか、それを飲ませてくれるバーは空港内にあるのか、などなど。スイスがワイン生産国であることはあまり知られてない。生産量は少ないし、品種もそんなに多くないし、まして自国民は隣のフランスやイタリアのワインばっかり飲んでるから、余計に陽の目がない?
私の社会人生活最初の上司は金融の仕事以外にワイナリーを経営し、スコットランドに城を持つ元貴族の出の人でした。その上司、今では金融もワイナリーも辞め、城も売り飛ばし貿易会社を経営しながら市長も兼業している。今でも交流?腐れ縁?があり電話をしてくるとき私を「スケベババア」と下品極まりない。もしかして元貴族も辞めたのかな?でも、彼が私にワインの魅力を教え虜にした。私の酒豪は自分の責任ではないと逃げながらも。
私の好きなスイスのワインは2種。レマン湖周辺の傾斜、それもローザンヌ近郊のサン・サフォラン村 St. Saphorin で作る白。シャスラ種 Chasslatの葡萄で作る微発泡性なのがフランスのアルプスの白ワインを思わせる。そしてイタリア語圏にあたるティシノ県Ticino のメルロー種で作られる赤。メルローはボルドーでも多く使われる品種だけど、ボルドーの繊細なメルローと比べるとこちらはイタリアのワインを思わせる。いずれにせよ、スイス外で見かけるのは稀。日本ならどこかが輸入してる?
帰りもこの空港に寄るから久々にたんまり買っちゃおうっと。
夢路とみこ

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