[072]LとRの喜劇

仕事で船内コーディネーターとして乗ると添乗員さんから「とみこさんが乗船してくれると通訳してくれるから助かります。僕は仏語どころか英語すらも殆どだめなんで」と言ってもらえたりもする。海外で就職となると現地言語は当然のことながらビジネス言語の英語は必須。外国語に不慣れな人が聞くと私程度でもベラベラに聞こえるらしい。いやお客様の手前、そう装っている。しかし本当はかなり苦しい。日本人が外国語の発音で苦手とされるのが「LとR」私もその例に漏れることなく苦手。この二つの文字が入ると聞くのも喋るのも混乱。そして喜劇の主人公になることもしばしば。
週末をアルルで過ごすためエイグ・モルト下船の後にニーム乗換えで電車に乗った。車内連絡で「次はArles、アルル」と聞こえたので下車。駅を出たら世界的な観光地の割には随分と干からびている駅と思った。荷物が重くとにかくタクシー乗り場へ。「サン・トロフィーム教会傍まで」と運転手に告げると向こうは?顔。発音悪いから通じてないと思いアルルの地図を見せたら「マダム。これはアルルですよ」と言われた。アルルにいるつもりの私は「だからここに行って」とせっつく。コイツは馬鹿か?という様子で運転手は更に「ここはアレス、AlesでArlesではありません。アルルへ行きたいなら電車に乗りな」と言われ自分のミスにやっと気付いて再び電車の3時間待ち。

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[060]日仏ショックな事

今年も同僚を伴って2週間程帰国した。外国人と一緒に帰国するのは面白くもあり疲れる。外国人は私達日本人を表現する時にすぐ「カメラでパチパチ何でも撮りたがる」と言うし、こちらで観る映画やドラマの中でもそこを強調する。でも私の同伴者達は日本に来るとパチパチ何でも撮りたがる。
日本人は比較的に順応性が高い国民だと思う。食事だって和食のみならず、中華や洋食はもとよりエスニックだってへっちゃら。旅が長くなると箸安めが欲しい、パリのオペラ座界隈でラーメン一杯なんてのもあるけれど、私の同伴者は箸安めが多すぎる。
折角久々に帰国しているのに毎日喫茶店でトーストやハンバーガー、魚は嫌いと朝から牛丼やラーメンだったり、悲しい。しかし、一緒にいて面白いと思う事は日本について改めて学習出来る事。それまで何とも思ってなかった事に気付かされた。何で日本は自転車が舗道を走っているの?自転車に乗っている人は通行人を平気で押し倒すの?失礼とかごめんなさいとか言わないの?と質問を受けた時にはっとした。

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