パリ在住の日本人コミュニティーには沢山のフリーペーパーのような情報サイトがあります。私が持っている個人ブログをも含めるとかなりの情報収集になります。
よく、日本にいる方々からのメールで「これからパリに行くのですが、色々教えてください」と来るのですが、会った事もない人に「色々って」何を教えたら良いんでしょう。返事に困ってしまいます。だからその「色々教えてください」に対してこちらをご参考にしてみては、と紹介している情報サイトが幾つかあって、これは比較的に内容が充実している面白いなと思うのがこれ、フレンチコード
http://www.french-code.com/index.html
このサイトで見つけたカルチャースクールに私は最近通いだしています
http://www.french-code.com/keiko08.html
このスクールは高校を卒業してバカロレアを終えた人や大学を卒業して修士号コースを学ぶ人たちが通う美術ややメディア、芸術関係の経営学を教える、ビジネススクールみたいな学校、ISEAという学校です。この学校は毎週月曜日の夜7時から9時まで社会人を対象とした食文化、それも嗜好品であるコーヒー、お茶、チョコレートについての講習会を開いています。
それを知ったのは上記のサイトで、でも、どうやってこんな場所と情報を探して来たんだろうと思うくらいに目立たない場所にあります。オペラ座通りだから一回行けばすぐ分かる場所なのですが、こんなところに、こんなものが、という驚きです。あまり目立たない場所にあるこの学校を探し出したこのサイトにリサーチャーの方々、本当に頭が下がります。やはりプロの編集者、ジャーナリストには敵いません。
で、ここのチョコレートの講座を受講してみたのですが。受講者定員は30名らしく参加していたのは専らアフター5の若い会社員や中高年の趣味の世界の人、この職業についているらしき人たち。全くの好奇心丸出しの人は私くらいだったのでは?この日の講師は大手カカオ豆輸入業者の女性社長でした。
カカオ豆の輸入ルートの説明からチョコレートになるまでの流れをスクリーンと黒板で説明するとはまるで大学の講義を思い出しました。またカカオ豆の商品市場での投機やサヤ取りなどのビジネス的な面も講義にはありました。他の講座も受講していますがどれも趣味の範囲を超えた理論的で学術的なところもこの講座の良さです。
夢路とみこ
[303]日本症候群
パリの精神科医の太田先生が90年代に警告した「パリ症候群」については、こちらの著名な新聞ルモンドでも取り上げられ、TVのルポなんかでも時々話題に上るのでフランス人の間ではちょとは知られていますが、では反対に、フランス人に起こっている「日本症候群」についてはどれだけ知られているのか、また、そんな症状について研究している仏人精神科医がいそうな気もしないでもないが。
私が勝手に命名しているこの「日本症候群」は「日本オタク」とはちょっと違う。ディジョンに居た頃からこの手の人が周囲にいて、パリに来てからは付き合った相手にこれがいて参った。で、それはパリ症候群が女性に多いのに反してこちらは仏人男性に多いのが特徴。共通点は幾つかありパリ症候群のように日本の風景の写真を見ただけでうっとり、涙を浮かべて、「早く帰りたい」とつぶやき有給休暇の殆どを日本で過ごし、パリにいるときは日仏交流のイベントに通い、会社の中ではちょっと「浮いた存在」になっていることも多いよう。
太田先生がパリ症候群の女性について「日本人女性はキスに弱い」と書かれていたが、日本症候群の仏人男性は「日本人女性の男性体験、特に外国人男性との未経験さ」がはまってしまう原因なのかも。私の周囲の「パリ症候群」「日本症候群」の男女はともに、すごく真面目、恥ずかしがりや、オクテというのが共通点。ではこの男女がパリで知り合って上手く行けば事は丸く収まりそうなのですが、そうでないケースも多く。ケースを離脱した男女共に何故かしら現実離れした理想が高い。特に仏人男性の知り合いを見ていると自分とは反対の「ちょっとワルで、行動派で、社公的」な日本人を求めるけど、そういう相手はすでに同じようなタイプの仏人男性と付き合っているか、こちらでの男性経験も豊かになっているから、結局はここのギャップで不成立のようですが。
知り合いの欧州人女性が「日本オタク」と付き合っている。彼は一時は日本人に走ったけど日本人特有の「曖昧さ」に呆れてやっぱり欧州人へと戻ったものの、一度覚えた日本女性のナイーブさが恋しいのか一人で長期休暇を取り日本へ向かった。残された彼女は悶々とする毎日、「どうして私を一緒に誘ってくれなかったのだろう」とパリで涙を浮かべている。私は彼女のような忍耐力がないから、「日本」という言葉に敏感に反応する相手との交際は避けるようにしている。
夢路とみこ