私もお気に入りのブランドがあるからブランド好きを貶す訳じゃないけど、商品に相応しいエレガンスも身につけようよ、と声を掛けたい。シャンゼリゼにある某有名ブランドの本店へ大型スーツケースを引きずりながら他の買い物客を押し分けて入店するOL風日本人を見る事数回。帰国便に乗船する前のラストショッピングなんでしょう。でもシャンゼリゼは空港内の免税店ではありません。世界中のエレガンスが集中する場所。やっぱりこのような大きな荷物はどこかに預けてから、バッグのみのスマートな姿で入店してもらいたい。フランスのTV局はどこから撮影しているのか、このような格好の悪いところだけ私たちのイメージで流す。
たまーに出かけるミッシュランの星付きレストランで見かける事。ドレスコードはさすがに皆さん守ってらっしゃる。でもこの手の店は、食前酒、後に食後酒とフルコースで楽しむものであって、パッパッと食べて、はい、さよならという店ではありません。食事の時間に2,3時間かかり、量も普通の食事の3回分くらいあるのでその前後の食事をうーんと控えて体調を整えないと食事中にダウンと言う事もあり。またこの手の店でチップにコインじゃらじゃらはちょっと恥ずかしい。従業員の雰囲気作りやきめ細かいサービスは対価を付け難い努力だから、食事をする人数に合わせて10ユーロ札を数枚さらりと置くのがやっぱり綺麗かな。
これは星付きだけじゃないけれど、ある程度クラスのある町中のレストラン、ホテルのレストランでのお食事ではミネラルウォーターを注文するのがスマート。カラフ入り水道水がマナー違反でなくとも、クラスのイメージを大事にするフランスではTPOを重視し、それに寄ってサービスにも差があります。ある意味では「客を客と思っとらんのか、おんどりゃは!」と言いたくなる程の冷たさが。またこの手のレストランでは、飲めなくてもグラス1杯くらいのワインを注文するのがお洒落。それは乾杯用でもあり一種の飾りでもあります。無駄な料金と思わず、その位に予算と気持ちに余裕を持ってお出かけ下さい。
ホテルのバーとかカジュアルなレストランでデートをしていて(私をデートに誘う勇気ある男性もこの世に存在)王子様と野獣が交差する瞬間、お釣りの小銭をチップとして残さず全部拾う時。気が利く人なら更に上乗せしてか、小銭をお札に替えて置かれる方もいて大変スマート。大人の世界を感じます。
夢路とみこ
[200]旅のヒント(1)
長期でしかも貧乏旅行となると必要なのはコインランドリー。私もいつもお世話になってます。町に着いたら観光局に立ち寄って地図を貰うのは当然だけどランドリー、郵便局、コイントイレ、夜間や日曜日も営業中のスーパーの場所確認もしておくと便利です。ランドリーに行く前に用意すべきは1ユーロと50セントコイン。両替機はあっても壊れてる事が多いので事前に郵便局にある自動両替器を利用しておくと良し。
洗い方ボタンを選択するとき、白物ならBlanche、色物ならCouleur、2回洗いならSynthetique、ウールならLaineを選ぼう。洗剤を入れる口が3つに分かれていたら一番小さい口が柔軟材を入れるところです。洗濯中に場所を離れるのは危険。洗い終わったものを勝手に退かして自分の物を入れるなんて事は良くある事、盗みも多し、でも図々しい人は洗濯中に自分の洗濯物も入れて洗うなんて破廉恥なことをする人もいます。この手は大学の寮の洗濯機に多いとか聞きます。
日本の洗濯機は渦巻き式で上から物を入れるから蓋が簡単に開くけれど、こちらはドラム式で横から物を入れるので表のドアを開ける事になります。このドア、引いて開くタイプとボタンを押して開くタイプとあるので分からない場合は他人のやる事を真似しよう。物を入れてドアを閉めてからコインを入れます。先にコインを入れると勝手に水が出て大変なことになるので要注意。また日本のランドリーと違いここにはスニーカーを洗う洗濯機がないからと言って、スニーカーを普通の洗濯機で洗うのは厳禁です。これはマナー違反も良いところ。また、ホテルの洗面所でじゃぶじゃぶと洋服を洗うのもマナー違反。特に水不足問題が尽きないこの国ではホテルにも「節水のご協力を」と呼びかけていますので、ランドリーへと。
両替機でコインを獲得したらキープしたいのはランドリーで必要な1ユーロ、50セント以外は20セントコイン。これはよくコイントイレで必要です。都会なら駅でもお釣りをくれるオバちゃんの有人トイレがあるけれど、地方はだいたい無人だから頼みの綱はコインのみ、でもお釣りは出ないし、きっちりと必要コインを入れないとトイレのドアは開きません。旅の終わり、コインが残ったら成田空港到着ゲートにUNICEFの募金箱があるのでそこに入れてあげて下さい。貴方が無事に帰国できた事を感謝し、また旅に出れるようにと祈りを込めて。
夢路とみこ