フランスの数あるワイン祭りでも特に私が好きなのはトロワ・グロリユゥーズと呼ばれるこれ。この祭りは利き酒騎士団のための祝賀会が中心で一般の私達が楽しめるのは日曜日のワインオークションだけ。これは慈善活動目的のオークションでさる有名どころの年代物のワイン競り落としとは違いますが、それでもワインファンにとっては見応えのある競売会です。
会場となるボーヌの町では祭りが開催される11月の第3週目になると普段以上に観光客が多くホテルの予約も大変ですが、レストランもこの週末ばかしはお祭りの特別メニューのみでちょっとお高めの値段設定をしています。優雅にワイン三昧の旅行ならこの時とばかりレストランで特別メニューを味わうのも良し店によっては料理とワインのマリアージュもあるようです。
バジェット旅行者には屋台もあるぞ!屋台と言っても馬鹿には出来ませんよ。フォアグラや美味しいハムのサンドイッチがあり、グラスワインもあります。私が好きなのはトゥルーズ産ソーセージと玉ねぎの白ワイン煮を挟んだホットサンド。毎年こればかり食べています。
[043]ニュイ・サン・ジョルジュのボーリュ祭り
ディジョンとボーヌの間にあってこの二つの町が有名過ぎて見逃しがちなニュイ・サン・ジョルジュの町はブルゴーニュでも私のお気に入りのひとつ。ここは銘醸街道沿いにある町としては漏れる事もなく高級ワインを生産するドメーヌが幾つもありますが、葡萄畑のある傾斜の反対側ではキールでお馴染みのクレーム・ド・カシスを作る町としても知られています。
ニュイは日本とも所縁深く山梨県の一宮町が姉妹都市提携しています。来仏するまでは様々な国のワインを飲んでいましたが、日本のワインにもお気入りブランドが幾つか。その中でもこの一宮町で生産される「ルミエール」は一升瓶入りを購入しデイリーワインとして毎日の晩酌用。だからニュイに初めて来た時に一宮町と姉妹都市提携していると知り更に好感を持ちました。
ロマネ・コンティやクロ・ド・ヴージョの畑を見学するのならニュイからのタクシー利用が最も経済的です。これらの畑の周辺は全く何もなくお茶するカフェすらないのです。バス停はあるものの本数は限られ待ち時間が長い。ここならブラッスリーやブティークはもちろん、徒歩で行けるところにカシス博物館もあり、見学試飲が可能なワイナリーも充実しています。