[013]郷土料理・キール編

ブルゴーニュ名産の一つにクレーム・ド・カシスがあります。それを用いたカクテルにキールとキール・ロワイヤルがあります。前者は白ワインで後者はシャンパンで割ったものです。
ここから更に分れてキールでもキール・ド・ブルゴーニュとなると白ワインがアリゴテ種に限定されます。キール・クレマンとなるとシャンパンの代わりにスパークリングワインのクレマンが使われます。
キールはディジョン発祥のカクテルですが、今ではフランスのどこでも楽しめる位に一般的です。ですが、キール・ド・ブルゴーニュやキール・クレマンはブルゴーニュでもワインバーなどにならないとそこまで細かくなっていません。これに類似するものでキール・ド・アルザスとなるとアルザス産のリースリングなどで割っている様です。

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[009]銘醸街道

ディジョンは銘醸街道、La Route Grands Crusの入り口です。それは少し南下した所にあるマルサネー村から始まりヌーボーで知られるボージョレ地区まで高級ワインの葡萄畑が続きます。この村、Marsannay La Coteはブルゴーニュでも唯一ロゼワインを作っている珍しい村です。もちろん味もしっかりしてロゼとは思えない位の存在感があります。
銘醸街道を見たいのならディジョンからボーヌまでの道程は郊外バスTRANSCOのAUTUN行きでどうぞ。ワイン主要地ボーヌまで電車なら30分、でも鉄道は葡萄畑よりうーんと離れていて黄金の丘、ラ・コート・ドールは殆ど見えません。
バスは国道を銘醸街道沿いに走り、また停留所ごとに停まるので時間は1時間位掛かりますが、フランスに来た、ワインの国に来たと感じる事は間違いなし。ボーヌまでの道程に山梨県一宮町と姉妹都市のニュイ・サンジョルジュや利き酒騎士団で知られるクロ・ド・ヴージョ、ワインの王様、ロマネ・コンティの畑の近くをバスは抜けて勝沼町と姉妹都市のボーヌへと到着します。
この街道は四季を通して美しく何度通っても飽きが来ません。冬は葡萄の木に霜が折り冷え込む事で害虫が自然の力で駆除されます。そしてその寒さの中、生産者は剪定し美味しいワインを作るために励んでいます。マイナス何度という日もあるのに白い息を吐きながら剪定する姿をヒーターの効いたバスの中から見かけましたが本当に頭の下がる思いです。

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