[009]銘醸街道

ディジョンは銘醸街道、La Route Grands Crusの入り口です。それは少し南下した所にあるマルサネー村から始まりヌーボーで知られるボージョレ地区まで高級ワインの葡萄畑が続きます。この村、Marsannay La Coteはブルゴーニュでも唯一ロゼワインを作っている珍しい村です。もちろん味もしっかりしてロゼとは思えない位の存在感があります。
銘醸街道を見たいのならディジョンからボーヌまでの道程は郊外バスTRANSCOのAUTUN行きでどうぞ。ワイン主要地ボーヌまで電車なら30分、でも鉄道は葡萄畑よりうーんと離れていて黄金の丘、ラ・コート・ドールは殆ど見えません。
バスは国道を銘醸街道沿いに走り、また停留所ごとに停まるので時間は1時間位掛かりますが、フランスに来た、ワインの国に来たと感じる事は間違いなし。ボーヌまでの道程に山梨県一宮町と姉妹都市のニュイ・サンジョルジュや利き酒騎士団で知られるクロ・ド・ヴージョ、ワインの王様、ロマネ・コンティの畑の近くをバスは抜けて勝沼町と姉妹都市のボーヌへと到着します。
この街道は四季を通して美しく何度通っても飽きが来ません。冬は葡萄の木に霜が折り冷え込む事で害虫が自然の力で駆除されます。そしてその寒さの中、生産者は剪定し美味しいワインを作るために励んでいます。マイナス何度という日もあるのに白い息を吐きながら剪定する姿をヒーターの効いたバスの中から見かけましたが本当に頭の下がる思いです。


春にはると芽がでて夏になると葡萄の葉で畑が一面グリーンのカーペットのよう。しかしこの街道のお勧めは9月。ピノ・ノワールやガメイ、シャルドネの房がたわわになって今にも落ちそう。収穫時期は毎年AOC機関が制定します。それは地方、地区により異なり南仏から北上しだしここは大体9月下旬の様です。
だから9月末から10月初旬にかけてこの街道をバスで通ると収穫のバイトをしている若者の姿が点々として見えます。私も毎年そのバイトをしていますので今年の秋は私の姿を見つけてください。収穫期後に収穫するのは違法です。またワインを作って良いのもその期間に収穫した葡萄のみのようです。
収穫期間後に成る葡萄はそのまま腐らせて土地の養分にします。街道沿いはボーヌ丘陵なので山の傾斜の畑は陽の光が射すと黄金に輝きます。まさしく黄金の丘です。
ワインを求めてブルゴーニュに来るのなら是非ディジョン,ボーヌ間はバスでどうぞ。ディジョン駅裏側にTRANSCOのバスターミナルがあり、1日数本DIJON-AUTUN間を往復します。切符はバスに乗船してから買えます。
夢路とみこ