[008]郷土料理・かえる編

この地方の郷土料理と言えばワインソースやワイン煮込み、その代表的なものがBoeuf Bourguignon(牛肉の赤ワイン煮)やCoq au Vin(雄鶏の赤ワイン煮)。白ワインソースの魚料理ならPouchoseがあります。これらはメインで、オードブルならやはりまずはエスカルゴ。これがこの地の名産の理由、カタツムリは葡萄の葉を餌にしているからです。同じ理由で蛙もブルゴーニュ郷土料理です。その昔は葡萄畑にエスカルゴや蛙がいてそれを取って料理していたようですが、都市化と化学肥料でそれらは減少またはサイズが小さくなり現在では東欧やギリシアからの輸入物にたよっているのが事実のようです。
ミッシュラン星付きや高級レストランであればブルゴーニュで飼育しているものが頂けるようですが、ビストロや一般家庭の食卓に昇るのはやはり輸入物。スーパーに売っているエスカルゴは殻に入っていてソースも埋め込んであります。ソースはハーブバターが通常なのですが、カシス産地のニュイサンジョルジュが近いこのディジョンではカシスバターのソースが埋っているものも売っています。味も形もサザエに似ているので醤油バターのソースを埋めこんだら和風になるかも。


蛙( La Grenouille)は基本的には夏の料理です。ですから普通のレストランでこれがメニューに載るのも初夏。ラーメン屋に「冷やし中華」がで出したら夏を感じるのと同じ。でも四季を問わずまた何種類ものソースで蛙を堪能するならば、ディジョンのLe Germinalでどうぞ。通常の蛙料理はプロバンス風ソース(蛙の素揚げにトマト、ハーブ、オリーブ油)のみならず、ブイヤベース風やクリームソースなどがあり、日本語メニューに書かれていた「地獄ソース」には「痛い、痛い」とも書いていました。お店の人によればかなりピリカラだそうです。
店内は蛙グッズで溢れていて蛙に囲まれながらそれを食べるのは残酷か?でもどのソースもとても美味しいので「可愛そうな蛙ちゃん、私の胃の中で成仏して下さい」なんてニコニコしながら食べているのは私だけではありません。蛙と言っても全体を食べるわけではなく太ももの部分のみです。また骨ばっているので手で食べるし、骨を口から取り出さなければならないからちょっと恥ずかしい。時々むしょうに食べたくなる蛙料理、でもやっぱりデートコースには除外かな。もちろんこの店では蛙以外の料理も出していますし、サラダはメインにもなる位に大盛りで来ます。蛙に合わせて飲むなら赤、白ともに私はSavigny-les-Beune をお勧めします。
* Le Germinal
44, rue Monge 21000 DIJON Tel: 03.80.44.97.16 日曜休業
夢路とみこ