[013]郷土料理・キール編

ブルゴーニュ名産の一つにクレーム・ド・カシスがあります。それを用いたカクテルにキールとキール・ロワイヤルがあります。前者は白ワインで後者はシャンパンで割ったものです。
ここから更に分れてキールでもキール・ド・ブルゴーニュとなると白ワインがアリゴテ種に限定されます。キール・クレマンとなるとシャンパンの代わりにスパークリングワインのクレマンが使われます。
キールはディジョン発祥のカクテルですが、今ではフランスのどこでも楽しめる位に一般的です。ですが、キール・ド・ブルゴーニュやキール・クレマンはブルゴーニュでもワインバーなどにならないとそこまで細かくなっていません。これに類似するものでキール・ド・アルザスとなるとアルザス産のリースリングなどで割っている様です。


さてこのキールなるカクテルは誰が考案したか?それはディジョン市長を30年も務めたキール市長です。キールさん、市長になったのは60歳過ぎてから。亡くなる直前までディジョンの為に働いた様です。前職は牧師だったらしく、キール湖という人口貯水池で現在はリゾートにもなり水上スキーやレガッタ、泳ぐ事も可能なのは彼の功績です。
さてその市長のキールさん、ある日まだまだ未熟だったアリゴテ種のワインを飲みあまりのまずさに「何とまずいワインだ。こんなワインはクレーム・ド・カシスでも入れないと飲めない」と言ったのがカクテルのキール誕生と言われます。
依頼このカクテルが有名になるにつれてアリゴテ種も品種改良が重ねられ現在ではシャルドネと並ぶくらいに高級品種となりもちろんAOCの指定を受けています。シャルドネはどこで生産されてもシャルドネですが、アリゴテについてはブルゴーニュアリゴテと名称されています。
またブルゴーニュ地方の特徴でキールはもちろんのこと、ワインもまたブールと呼ばれるブランデーグラスで飲みます。キールは食前酒の代表格として食後酒はとなると、マール・ド・ブルゴーニュをどうぞ。これは葡萄の絞り粕で作ったブランデーと考えてください。香りも高く、アルコールも高いのでゆっくりと味わって下さい。
キールやマールを気軽に楽しめるワインバーはカフェやレストランも併設しているディジョンのオウ・ムラナ・ヴァンにてどうそ。
Au Moulin-a-Vent: 住所8 Pl Francois Rude 電話:03.80.30.81.43
夢路とみこ