[275]パリで知る日本(3)

中華料理店にある「お酒」は日本酒と違いかなりアルコール度の強いもので、メニューでもそのままSAKEだから日本酒との勘違いは当たり前。しかし、私の周囲の外国人にはそれが分らない。酒豪の私でも、その本質を説明するだけの語学力がないので、日本酒に関するセミナーが11区の日本文化センターにて開催と知り早速、にわか勉強と大好きな日本酒を呑みに行きました。
フランスのワイン業者は良く日本へRPへ行くけれど、日本酒の業者がフランスにPRに来るのはワインEXPOがあるとき位ではないかな、と思う位に貴重なイベント。はせがわ酒店というネゴシアンが作り手である蔵元を引率しての来仏。作り手の話を聞きながら試飲するのは貴重で味わいが増しますね。彼らの努力と仏国市場開発への意気込みを感じた一時。異業種交流会のフランス人と一緒に行ったのですが、彼女は「今日、初めて日本酒と中華料理のお店で注文する酒の違いが分った」とご満悦。で、更に「今日飲んだお酒はパリのどのお店で飲めるのかしら」と。しかしながら、今回来られた方々のお酒はまだこちらには未輸出らしい。
はやり将来輸出を考慮してか、ボトルをワインの形と同じそして量も750mlというのも日本側の柔軟性を感じました。日本同様に美観を重視するこの国ではまず視覚に訴える商品でなければいけません。しかし、ワインを和食に合わせるのと違い、日本酒はフレンチに合うのかしら、の不安を打ち破るような物をこの試飲会で発見。これはフレンチでも行けるはずのお酒や焼酎がありました。パリには「ゆうりん」というフレンチ居酒屋が最近出来たそうで、私はまだ行ったことがないのですが、日本酒とフレンチのマリアージュの完成度に対する評判はすごい、私も行かなきゃ。
しかし、今回も思いましたけど通訳の方がすごい。すらすらと質疑応答などの通訳をこなす。翻訳と違い訂正不可なのが通訳、あれだけ適切な単語を揃えられる機転のよさに感服。会話は弁舌、発音上手でも的確な日本語で応対出来ないのは無意味ですから。
日本文化センター
はせがわ酒店
遊鈴 3 rue Valette 75005 01 43 26 05 32
火-土曜日 午後6時30分-0時、日曜日は11時まで
夢路とみこ

[274]パリで知る日本(2)

先日いつも手配している12区のシャンブル・ドット、シャナ夫妻のお宅に伺ったら、テーブルの上に折り紙で作った手毬が置いてあり、どうしてそれがあるのかを聞いたら最近宿泊したアメリカからの日本人家族がご夫妻への感謝の気持ちを込めて折ってくれたらしい。すばらしいチップ(感謝の気持ち)だと思いました。
シャンブル・ドットの場合、ホテルと違いチップという訳には行かないので、大抵の人は日本から民芸品や装飾品、葉書などを持参してくれているようですが、こうやってその場で折り紙などを折ってあげるのも嬉しい案だと思います。
こちらのマダム・シャナもそうですが、お料理好きはテーブルコーティネートも上手い。市販のリネンやキッチン用具を自分風にアレンジしてテーブルを飾るところは、さすが芸術の国フランスを感じさせる。このエスプリはどこから来るんだろうか、天然ものなんだもの。そのコーディネートに折り紙で作ったお花や動物があると更に楽しいと思いませんか。
私の周囲には日本へ赴任したご主人に伴った人が結構いて、彼女達は日本赴任中殆どの時間を「お稽古事」に費やしていて「生け花」「茶道」「折り紙」に関しては日本人並にすごい人がいます。お稽古事に「和食」がないのはやはり帰国した後の食材探しが難しいのと、「和食」が必ずしも皆さんの舌に合うとは限らないからでしょうか。シャナ夫妻なんてこれだけ日本人が多く宿泊していても、やっぱりムッシュは和食や和菓子は全くダメ。フランスの物以外はなかなか受け付けないとご自身も言っている位ですから。それは在仏日本人も同じ事で、一食は和食にしないと元気が出ない人もいますしね。雑食の私とは違う。
折り紙、折れたら素晴らしいと思います。殆ど道具を必要としない身軽にどこでも持ってゆけて披露できる日本の文化。そしてそれはテーブル・コーディネートやグリーティングカードに貼り付けたりして実用的でもあるから尚よろしい。パリ11区にあるエスパス・ジャポンでは定期的に「折り紙教室」を開催していて親子で学びに来る人も多いけど、一人で参加する外国人もいます。この前、参加して、あまりの不器用さに隣に座ったフランス人が面倒見てくれました。気軽に参加できるので、それを心づけとしてチップに添えて差し上げると喜ばれるのではないでしょうか。
エスパス・ジャポン
http://www.espacejapon.com/
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