[269]パリ、工芸・技術博物館

日本から仕事で来た友人と散歩にでもと思ったら、外は強い雨が。パリは雨に伴って強い風が吹くことも多く、突風で何本傘をやられたことか。この8年で飲んだワイン代よりも傘代の大きいような気がします。それくらいフランスの傘はちゃち。ここでは傘よりもレインコートと雨避けの帽子と防水の靴とかが役立ちます。
友人はツアコンでパリなんてしょっちゅうだから仕事で行かないところ、雨よけになる所。という事で3区、メトロ:Artset Metier駅にある工芸・技術博物館へと。駅を出ると目の前には大きな建物が教会に繋がるように広がる。そう、これがそれ。見学は2階(日本式の3階から下るようにして見るように案内されています。展示されているのは巨大な印刷機や初期のスーパーコンピュータなど。
テクノロジーの進化について興味がある人には面白い場所だと思います。1階の材料、資材の展示室まで来ると手工芸を駆使した職人の技、花瓶や皿、ガラス製品などがあり、奥にはエミーユ・ガレの作品、セーヴル焼きなど、私好みのものが。そして同階の通信関連の展示室にあるカメラには、もしやこれは産業スパイのためのもの?、007のカメラ?みたいなものが。そして懐かしいオリヴェティ社の手動タイプライター。私は18歳の時にブラザーの手動タイプライターをしょってテキサスの大学へと留学した事を思い出しました。
0階には美術館カフェ、日曜日にはイタリアンの食べ放題ブランチがあり、美術館とブランチのセットチケットが19ユーロ。これはお得だと思う。カフェを過ぎてその先の教会へ行くと外観は教会、でも中身はクラシックカーや自由の女神のレプリカ、飛行機などが展示されています。教会の天井の高さや光の入り具合を上手に利用している画期的な展示室。こんな大胆な構造はパリにしかない?
私はこんな場所で大好きなアール・ヌーボーの作品や陶器を見れる事に、一緒に行った友人は世界のゲームファンを虜にした「任天堂のゲーム・ボーイ」が展示されている事に感動。
MuseeArts et Metiers
60rue Reaumur 75003 tel: 01 53 01 82 00
http://www.arts-et-metiers.net入館料:6月30日まで無料、それ以降6.50ユーロ
日本語の見学案内、オーディオガイドあり
月曜、祭日閉館、火-日の10時-18時、木21時30分まで
夢路とみこ

[267]サン・クリストフの奇跡

サン・クリストフ、英語読みならセント・クリストファーとは、彼が方に幼子イエスを担いでヨルダン川を渡る姿がモチーフとなっていて、ペンダントヘッドやキーホルダーとしてこちらでは売っています。これは輸送、転じて旅行者の守護神として考えられています。ですからトラックやタクシーの運転手や私のように旅行を職業としている人が良く見につけています。
初めてこれを見たのはフランス留学時代の20数年前、当時の彼が車、オート好きで事故の回数も数知れず。でも、いつも九死に一生を得たときにはいつもサン・クリストファーのお守りがあったと。そして数年後、彼はツアコンになり、私はその十数年後に船会社に勤務することになり亡くなった母の結婚前の職業であった観光ガイド関係の仕事をしています。私の前からはその彼も母もいなくなってしまいましたが、不思議なことにサン・クリストフがそれを導いたのか、私が現在の職につくことは当時誰も想像しなかった出来事で。
私の首にいつも掛かっているサン・クリストフはなんと、ティファニー製、20年前に購入。どうやら限定品だったらしく、パリのティファニーで同じ物を探したら「これは本当にうちの商品ですか?」みたいなことを言われてしまった、かなり汚くなっているせいでしょうか。私の場合、九死に一生のような出来事はないですが、このサン・クリストフに助けられた事は何度も。
船で事故にあった時も、怪我は足だけ命には関わらなかった。パリで地下鉄構内に閉じ込められた時も時間は掛かったけど無事に救出されました。お財布やバッグを電車の中に忘れた事は数回、その時に限って他のネックレスをしている日でサン・クリストフはお財布かカバンの中に。。。。そしてそれは必ず私のところに無事に戻ってきました。
2週間前にインフルエンザが元で肺炎に係り高熱と悪寒が一時間の間にジェットコースターのようになりました。前の同居人、通称ママがICUに運んでくれて何とか助かったのですが。病院のベッドで苦しくて出るのは言葉ではなく涙ばかり、そんな時、必死にこのサン・クリストフを握り締め「せめて熱でパーになりませんように」と祈るばかり。お陰でパーにはならず、ちょっと片耳が難聴ですが回復は徐々に。
サン・クリストフのメダルはパリのモンマルトルはサクレクール寺院の売店で買えます。旅行する人、運転する人、一つは持っていたほうが良いかもしれませんね。
夢路とみこ