[283]パリで食べるパン(3)

フランスで食べるピザは薄い、まるでクレープを固焼きしたかのように薄い昔、イタリアで食べたピザはこんなに薄かったけ?と思うように薄い、そしてそれはフランス人の好みに合うようで。ピザと言えば、アメリカはシカゴ風の分厚い、パン生地のようなピザに馴れ親しんでいる私にとってフランスのピザは歯ごたえが無く、カリカリしすぎ、だからあまりピザを好んで食べに行くことはないのですが。
日本では既に人気のあるチェーンのパン屋、PAULのパンはゲランドの塩を使っているからちょっと塩辛い、でもそれが人気の秘訣でもあるようなのですが。オペラ座通りにあるPAULはお店の奥と2階がイートインコーナーになっていてオペラ座内の見学の後に立ち寄るには便利な場所です。
私がすきなのはここのピザ。それはまるで日本ンおパンピザを思わせる厚みのあるぴざだから。さすがポールのピザだけあって生地の部分はしっかりしているし、店内で食べるとグリーンサラダを一緒に盛り付けてくれるから軽食としてはピッタリ。入り口で注文するときにSur place シュール・プラス「店内で食べます」というだけ。テイクアウトの時は A emporterア・アンポルテーと言うだけで十分です。
同じくこの界隈、チュイルリー庭園駅、道路を挟んでリヴォリ通りの206番地にあるセルフのレストラン。ビュッフェテリア・リヴォリは外国からの団体客やフランスの地方から来る修学旅行の学生団体で賑わう店です。私の職場がここから近いのでときどきランチに行きますが、いつもたくさんの人で賑わっています。日本の有名観光地の大衆食堂を思わせます。ああ、学生の頃が懐かしい!この店は入り口にサンドイッチやスィーツが売っていて、そして私の好きな分厚いパンピザもあります。一見テイクアウト用にも見えますが、上記の注文の仕方で店内飲食も可。トレーに乗せてくれて、それを持って店内で席につきます。
ここのピザはポールのそれ程にはお洒落でも上品でもないのですが、でも、懐かしい味がします。一枚3.39ユーロと安く、また大きい四角なのでこれ一枚でも十分ですよ。パリだから本当はグルメ三昧してもらいたいですが、お腹とお財布の具合を考えたら、こういうのもたまにはありかな。
Buffeteria Rivoli
住所:206 rue de Rivoli 75001  年中無休
夢路とみこ

[279]ステーキタルタル(3)

ミッシュランの星がつく理由の一つに、わざわざ車を飛ばしてそこまで出かける価値があるからというのが基準にあるらしいのですが、それから考えるとこの店でステーキタルタルを食べるには、地下鉄とバスを乗り次いで、店がある敷地の中に入るのに3ユーロの入場料を払ってやっと席につける、となると、ここのこれはミッシュラン並に贅沢かもしれません。でも、この素晴らしい屋外レストランで頂くステーキタルタル18ユーロはそうしてまで来る価値があると私は思っています。もちろんこれからの季節のみの話ですけどね。
ステーキタルタルの美味しさの決め手は、誰がそれを作るかによります。腕力があって混ぜ混ぜに自身のある人ならシェフは不要でしょうけど、私は専らシェフがやってくれるかどうかを確認してから注文します。シェフが作ってくれる、ここで美味しさの7割は決まったもん。残りの2割はお肉が上質で、またそれはきちんと挽いてあるかどうかですね。挽き肉機にかけただけの、ミミズがたくさんいるような模様が見えるようではダメ、やっぱり更に細かく挽いてそれをスパイスや玉ねぎなどで上手く、あのミミズ模様が見えなくなるまでに原型を無くさないと。そして最後の1割はこのステーキタルタルをどのワインで頂くかによると思いますね。
私はステーキタルタルを注文するときに、ボージョレの10のクリュ(特級畑)のものを注文します。ボルドーやブルゴーニュではしっかりだし、コート・デュ・ローヌだとあまり平凡すぎる。赤でさっぱりしながらも深みがあるものとすると、やっぱりモルゴンやコート・ド・ブイイのようなボージョレでも上級のワインを選択するのが好きですね。
この店は、ブローニュの森にあるバガテル庭園の中にあるテラス・レストランです。バガテルと言えば薔薇園が有名で、つい最近も国際薔薇コンクールが開かれたばかり。園内の温室では夏になるとショパンのピアノコンクールを始めとして音楽イベントが盛りだくさん。今年は日仏友好条約締結150周年を記念した行事がフランス各地であり、この8月中旬まで「kimono」展が開催されています。結婚式の披露宴もこのレストランではよく見かけます。ステーキタルタルだけのために来る価値ある場所です。
バガテル庭園を紹介しているブログはこちらです
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/39993138.html
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