モンパルナス界隈はシックなアパルトマンが多くハイソな感じがします。その昔、芸術家達は貧乏な頃は右岸のモンマルトルに住んで、成功したら左岸のモンパルナスへと引っ越したとか。また哲学者、ジャーナリスト、インテリ系が集まるのもモンパルナスだとか。そんなモンパルナス界隈、メトロ4番線Vavinヴァーヴァン駅すぐ前にあるカフェ、Le Domeル・ドームはミルクハンターの私が一番気に入っているお店。
1杯4ユーロのミルクを高いと思うか、安いと思うかは皆さん次第。でも、その雰囲気と洗練されたギャルソンの配膳、ベルエポックをふんだんに味わえるアールデコ風のインテリアに私はいつも酔っています。ミルクが飲みたくなったとき、ちょっと疲れたとき、ハイソな気分にひたたりたいとき、私がこの店に行きたくなる理由は幾つもあります。でも、ここに来るたびに「パリに移ってきて良かった」と思わずにはいられません。たった4ユーロでひと時の幸せが買えるようなものだから。
パレ・ロワイヤル広場の一角、モンペシエ回廊とも呼べる画廊や高級レストランが連なる場所に私をときめかせるお菓子を出すカフェがある。どちらかというと辛党で、甘いものはそれほど食べないのですが、時々甘いものが恋しくなることも。その店、ムスカードは外を通る人たちを巧みにその美味しそうなお菓子で人を釣っている。西洋菓子と一緒にアラブ系菓子も置いているけれど、やはり洗練された場所に相応しく味も見かけも贅沢。またこの店に足を向けたくなる理由が「ミルク」おいしんだなぁこれが。店内のインテリアもちょっとエギゾチックで好きなんだけど、とにかくミルクとお菓子に誘われる。4ユーロのパラダイス。
極めつけがメトロ駅7番線Jussieu ジュッシュー駅前にあるおやじカフェ、Relais Jussieuルエ・ジュッシューのチーズプレート12ユーロ。チーズの盛り合わせに好きなグラスワインが1杯ついての値段だけど、メニューを読むだけだとこんなものが出るとは想像もつかない。チーズは山羊、牛、羊とバランスよく3種類のミルクで作られたものがそれぞれ。トム・フレッシュという山岳地方の郷土料理に加熱して出るチーズがスライスされて。山羊のチーズは軽く火を通しているけれど、その具合がなんとも言えない。外皮を破ると美味しさがよだれのように流れ出る。とにかくミルクハンターとみこの採点は20点満点。
夢路とみこ
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私は同居人を密かに「ママ」と呼んでいる。男性はある程度年齢が行くと「オジサン化」と「オバサン化」に分かれるらしいが、我が家は結構「オバサン現象」が現れてきたようだ。最初は「親切な人」の印象が、「面倒見の良い人」へと発展し、現在では「お母さんみたい」と思うようになりました。「フランスに5年以上も住んでいるんだからそんな事分かっているよ」と言いたくなるような、とても丁寧な説明をしてくれる。それも郵便局で国内、国外郵便物の出し方、とか、分別ゴミの出し方とか。
ママは大手企業に勤務するバリバリのビジネスマンで、取引先からお土産を貰ったりもしてくる。私も40代には突入したが、一応嫁入り前の娘というせいもあってか、ママはやたらに「皺取りクリーム」を勧める。どうやら大手有名薬品会社である取引先から貰ってきたらしい。1本25ユーロもするチューブ入りのもの。たくさんあるから使えという。まだ皺がないから別に良いと断っても「ママ」だから娘の美容に口を挟む。ニキビが出来ればXXを飲め、船の事故で怪我した足だから屈めないと言えば、優秀な医者を知っているから近いうちに診察に行こう、と実の母以上にうるさいやら、有難いやら。母のいない私には持って来いのママ。
モンパルナス駅付近にあるINNOはママご用達のお店。高級食材という訳ではないけれど、米国スーパーのような品揃えと見栄えの良い商品がお手頃価格で買えるのが魅力。特にそれは地下の食品売り場にあり。日本でも知られているブランドの紅茶やお菓子は、7区のデパートやブティークがある。でも、もっと日常的なメーカー品のものを買って「普段着のフランス人の食卓」を日本へ持って帰るのなら、ここかな。高級取りのママと違い、厳しい条件で雇用契約を結んだ私にはディジョンにいた頃のような贅沢は出来ない。それにちょっと車で買出しにというワイナリーも近くにはない。おまけにご飯が一緒の時はいつもワインを飲むから結構な出費。でも、INNOはフランス各地と世界のワイン、リキュール類があり、その価格幅も広いから安くても上質。だから、近くにワイナリーのない生活にも慣れました。この店にある、ママの故郷オーヴェルニュ地方の野草で作ったリキュールGentianeは結構イケル。
INNO
31 rue du Depart
メトロ:、、、Montparnasse Bienvenue
9時から21時30分まで
夢路とみこ
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