旅行中の食事で困るのは日曜日と月曜日。カトリックが色濃いこの国の日曜日は家族デー。家族揃ってご飯というのが多いのでレストラン従業者も休みを取るのが多く、また休んでも結局家族サービスで休みが休みでないから月曜日もお休みというのは少なくありません。忘れてはいけない、ここはおフランス。コンビニ、24時間営業の飲食店と消費者天国の日本とは大違い、勝手が違う。
味にこだわりを持つ旅行者は屋内市場、Hallesへ行くべし。そこは日も月もやっている。ここにはお惣菜屋、ロースト肉屋、チーズ屋、パン屋、ワイン屋があります。ブルターニュらしいと私が感動すらしたのはクレープ屋を見た時。チーズ屋で買ったTomme de Nevet aux argues(わかめ入りのトムチーズ)には「そこまでするか」と苦笑さえも。わかめのジャムもこの地方の特産品。リンゴだけの専門店があるのもこの地方らしい、そこで買ったリンゴのお酒、シードルは絶品。葡萄がなくても林檎あるさ。
場内乾物屋、Monde Saveursにはこの地方特産品の横綱、ゲランドの塩、それもワカメ入りとスパイス入りが計り売りで買えたので塩に拘る私は早速購入。この地方在住日本人、小林コリンさんが書いたゲランドの塩の本に感動し、パリでこの塩を見つけて以来、南仏カマルグの塩同様に私のお気に入りの塩。
[117]レンヌの見処、味処
ブルターニュは秘境らしい、でもそれは多分、大西洋に面したフィニステールの方を意味するのでしょう。そんなことも知らず「秘境、秘境」と日本の屋久島みたいなものを頭に描いてレンヌに来たからちょっとがっくり。到着したのはディジョンよりもはるか都会でメトロと市内バスが網羅する学園都市がそこに。ここは観光で来るよりも留学などの長期滞在の方が合っている気がした。長く住めば住むほどその良さがにじみ出るような味わいのある町のような気がした。
市内にレンヌ大学がありキャンパスが2つ、日本からの留学生も多いと聞く。1967年レンヌと仙台市が姉妹都市提携しているというのが理由なのかもね。キャンパスの近くに2週間から滞在可の家具付アパートがあるのもさすが学園都市らしい。また市内にはレンタル自転車があって短期の語学留学でも快適なジモティ暮らしが出来そう。
町中には運河が流れ船もちらほらと係留していています。フランスはガリア時代にローマ軍が物資運輸のために運河の基礎を作りそこから都市が繁栄したと聞いていますが、現代にも残るそれを見るたびにこの国の偉大な歴史を感じます。
観光スポット代表のタボール庭園はバラ園が有名らしいけどバラの開花の季節以外はただの広い庭。今の季節はチューリップが綺麗でした。横浜で毎年開催されるチューリップ祭りの方が種類いっぱいあるかな、とも思いきや。でも散歩には格好の庭園ですし、昼寝にはもってこいでした。