[306]郷土料理・かえる編2

私がディジョンを出て早くも2年半近くが経ち、その間に何度もこの町を訪れてますが変化があったりなかったりと、それに一喜一憂しています。悲しく思うのはディジョンらしい店がパリでも見かけるような店になってしまったこと。この店、ル・ジェミナルは私がディジョンに移ってきたばかりの頃、同じ語学学校で勉強していたソムリエールの峰子さんから最初に案内してもらったうちの一軒。さすがソムリエールだけあってどんな料理でもワインとの組み合わせを考えられるもんなんだと関心させられた思い出が。
朝市でもスーパーでも買えるこのかえるさんたちは、エスカルゴ同様になぜかしら魚屋さんに売っている。かえるの味は鶏のささ身に似ているから肉屋のような気がするんだけど、魚屋。だからワインもやっぱり白かロゼと教えてくれたのは上記の峰子さん。この店のワインリストには南仏のロゼもあるけれど、やっぱりこの町に来たのだからブルゴーニュのロゼ、マルサネーのロゼを注文したい。私たちはこのロゼと赤はやっぱりブルゴーニュにしかない、パストゥグランを注文。単にかえる料理を食べるなら中華料理にもあるし、中華ならロゼでも南仏はローヌのタヴェルやプロヴァンスのロゼになるでしょう。でもここはディジョン、やっぱりブルゴーニュ尽くしと行きたい。
かえるは魚扱いだから付け合せもやっぱり魚料理と同じでライスでした。そしてここは昔から日本語メニューがあるんです。
かえる以外でメンバーが喜んだのは塩味のフロマージュ・ブラン簡単に言うとこれはバターとヨーグルトの中間みたいなもので、バターほどに脂肪がなく、脂肪をさらに採るとヨーグルトになってしまうというもの。味はヨーグルト、でも濃厚さはバターに近い
パリでこれを注文するとだいたいがフランボワーズなどの赤い木の実のソースか蜂蜜が出て、甘くして食べる。でもブルゴーニュでは大半の店が塩味か甘み味かを聞いてくれる。もちろん私はいつも塩味、つまり、エシャロット、シブレット、ガーリックのみじん切りがそれぞれ小皿に盛られてくる方を注文します。だってチーズだもん、ワインのお供は塩味よ!
ル・ジェミナルのサイト
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[304]ボーヌのマスタード

マスタードと言えば、やっぱりディジョンだけど、でも有名なシェフ達はディジョンではなくボーヌのマスタード、ファロのマスタードを使うことが多い。私自身はディジョン名物で昔からあるマイユの方が好きなのですが、でも、ボーヌのそれも悪くはない。お塩と一緒でその用途によってマスタードも使い分けるようにしています。マイユが好きな理由は白ワインがたっぷり入っているせいかまろやかな味わいがあるので、茹でたフランクフルトなんかに付けるのにはとっても良い。しかし、サラダドレッシングなんかで、ちょっとピリ辛の味を求めるときはやっぱりファロかな。
最近ディジョンではアモラマイユの工場閉鎖が決まりかなりの失業者が出るから大規模なデモがあったと聞いたばかり。ディジョンを代表するマスタード、マイユはアモラの高級ブランドで、アモラは一般的なライン。この工場の中にマスタード博物館があり、大昔に第6号でも紹介しましたが。多分、もうないんだろうな、この博物館も。
見学は完全予約制。ガイドは英語とフランス語ですが、一部日本語のオーディオガイドがあり、マスタードを作っていた昔の機械、殆どが木製なのでまたまたびっくりですが、の説明なんかはこのオーディオガイドで聞けます。マスタードの粒を食べてみたり、触ってみたりととても楽しいですね。フランス語の解説がわかんなくてもへっちゃらよ。
この博物館ではマスタードを自分で作る体験もできる、そして、見学の最後は試食会があり単にマスタードを試食するのではなく、マスタードをつけて食べれるようにカナッペやスティック野菜があるのが嬉しい。試食するものも、オーソドックスなものに、エストラゴン入り、フレッシュなエストラゴン、ハーブそのものは私はあまり好きでないのですが、マスタードの風味付けになっているのは美味しかったですね。そしてカシスがはいった、ピンクマスタード。私には慣れない味、でも一緒に見学していたほかのフランス人観光客には受けていたけど、味覚の違いでしょうねあれは。料金10ユーロで見学、試食、お土産、この会社は暫く倒産しなさそうね。
先日ここに観光アテンドで行った様子はこちらでどうぞ。
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/50800210.html
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/50800315.html
夢路とみこ