[331]ムーリスでお茶(2)

雰囲気と言えばそれを醸し出すこのサロンの内装について触れると、まず天井にはこのレストランの名前、ダリ、芸術家ダリを冠にしているだけあってそれっぽい絵が描かれているのと、クラシックとモダンな家具がうまく調和しているところになんとなくダリかな、いや、私はダリの芸術をあまり知らないからこれが「ダリ風」と言われたら納得するはず。
ここの椅子は、良く聞く「ナポレオン風」というのがあり椅子の脚の先が猫のようになっている。これはナポレオンがエジプトを好んでいて、エジプトのスフィンクスやアフリカのサファリをイメージさせる動物類を好んでいたことに由来すると聞いたことがあります。とすると、椅子のひとつにシマウマみたいなものもあるのですが、これももしかしてナポレオン?モダンなデザインだとも思うのですが。
そして、見逃しえてならないのは、脚がハイヒールの形になっているもの。金ピカのメタリックな椅子でハイヒールとはちょっと別の世界をイメージします。またカントリー風をイメージしているのかロッキングチェアーもありました。
シックなマダムのアフタヌーン・ティーからマニッシュなスーツ姿のビジネスマンの打ち合わせなどを見かけます。日本の高級ホテルの場合、サロン・ド・テがロビーの近くにあってざわざわしていることが多いですが、こちらはフロントを経てさらに奥なのでゆったり、まったりの時間が楽しめます。紅茶は12ユーロから、そこら辺のおやじカフェなら5ユーロですが、場所、雰囲気そして使っている紅茶の葉も数段違うから仕方がない。
こんな贅沢な場所でのものですから、デザートも少々高いのですが、これも場所、雰囲気代ということかしら。そして紅茶の濃さも丁度良い、更にここが絶対におやじカフェと違うのは洗練されたスマートなギャルソンが注いでくれること。眺めているだけでも絵になるし、写真にきれいに納まる。それにパリ・コレのファッション・ウィークなら雑誌の切り抜きみたいな人がこの辺をうろうろしています。夢のよう。
料金が少々高いけど、ここのお料理、ランチにしてもデザートにしてもヤニック・アレノ氏の総指揮だから芸術性のあるものが期待できますぞ。今度はランチに行ってみたいと思います。たまにゆくならこんな店という一軒です
ホテル・ムーリスのレストラン ダリ
http://www.lemeurice.com/restaurant-le-dali

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夢路とみこ

[330]ムーリスでお茶(1)

パリにはパラスホテルと呼ばれる超高級ホテルが幾つかあり、ミッシュランの3つ星レストランが入っているところも多い。お泊りにも3つ星にも最近ではもう縁のない私がこの手の場所に出入りする理由は「サロン・ド・テ」つまり「お茶をするため」
ルーブル美術館、ジュー・ド・ポーム美術館、オーランジュリー美術館にも近いので、美術館巡りの後に立ち寄ってもらいたいサロン・ド・テのひとつはここ
ムーリスのメインダイニングはミッシュランの3つ星で、その隣に「ダリ」というカジュアルなダイニングがあります。こちらは星なし。でも、ムーリスの中のレストランですからね、やはりここの料理の総指揮は3つ星シェフのヤニック・アレノ氏によるものだそうです。メインダイニングでの食事はまったく行ったことがないですが、ここのダリのアフタヌーン・ティーは好きでときどき行きます。そのメニューはこちら(PDF)をご参考にどうぞ。
ここがそれをやっているという事はホテルのサイトを見ないと分からないくらいに控えめな情報です。雑誌なんかに取り上げてもらったり、大々的な宣伝をすれば良いのに、今、ホテル業界はみなさん集客で大変なのですから。でもそうしないのはホテル側の意思なのかもしれません。一回掲載されると色々な人が押しかけてきてホテルの雰囲気が崩れる恐れがあるからでしょうか。やっぱりこのレベルとなると宿泊客もシックだから気を使わなければと思い、アフタヌーン・ティー程度にドレスアップして出かけたら浮いちゃいました。いかにもおのぼりさん丸出しになってしまいました。
さりげなくテーブルにお部屋のキーを置いていた宿泊客はカジュアルだけどセンスのあるお洋服。でも、あんた本当にムーリスの客?と言いたくなるようなくたびれたジーンズとTシャツ、それもブランド物でさえもない、か、或いはあなた様は成金様ですねと言いたくなるような方もちらほらと。でもこれだけ様々な人を見かけても、サロンの広々さが混雑感を感じさせず、静かです。

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