[240]躍動する女性への旅企画

今年は団塊の世代が多く定年を迎える年。これまで会社生活だけに没頭していた人たちがしたいと思っていること「旅行」へのニーズはかなり高い。この世代を標的とした市場開発はかなり進んでいる。「ゆったり」「のんびり」「ゴージャス」のイメージが高い船旅はもちろんのこと、「ロングステイ」も増えているし、熟年を対象とした体験型ツアーも増えている。
でも、何故かしら「夫婦」がテーマとなっているものが多いのが不思議。だって定年するのは既婚者ばかりじゃないでしょうが。訳あって独身のまま、或いは離婚して定年を迎える人もいるはず。シングルには定年が来ないとでも思っているのかしら?気持ちはいつだって現役、でも定年は既婚者、未婚者、みな一緒。
女性のシングルは強い、好奇心も旺盛だし、順応力もすごい。アテンドしていて面白いのは、刺激になるのはこの手のクライアント。キャリアウーマンとして学ぶことも多ければ、大人の女としての振る舞い、選択の仕方、返って私の方がマナー教室代を払うべき。忙しい彼女達が望むのは、限られた時間の中で最大限楽しめる旅。そこには「何かを学ぶ」という要望も多し。
でも、巷にある「お稽古ツアー」は写真を見る限り若い世代が対象。40代の私だって、50代の彼女達だってやりたいことは一緒、でも、会社から離れた時くらい世代を忘れさせてくれる空間に入りたい。でも、そんなツアーは殆どない。自分の将来の事も考えて、じゃあないなら作るか、という事で始まった大人の女性に向けた旅行企画。
もちろんまだ現役のキャリア派にも、定年を迎えるキャリア派にも納得してもらえるようなものを作るのが目的。私が定年する頃にはこれが定番となる、選択肢も増えている、そんな事を願いながらぼちぼちと作り始めた企画。それがやっと具体化して来た。船の仕事で培った経験とノウハウを持っているからこそ動き回れる。
ほぼ毎日色々な人に会って、旅行企画、開発の協力を得てます。滞在期間がそれ程ない観光客のために内容の濃い、体験型の語学授業の講師探し、フランスの一般家庭の味をそのまま輸出できるようなマダムによる料理教室、英語でパリのローカル、国際派たちとの交流が出来るパーティやイベント参加。それは私が添乗する船旅がなものであるように、同じようなものを目指して。
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夢路とみこ

[226]旅のヒント(7)

旅行計画するときに私もそうだけどいかに出発前のコストを押さえ現地で余裕を持つかですが、旅行保険をおろそかにしてませんか。「転ばぬ先の杖」って言葉これのためにあるようなもんですよ。
先のチャリツアーで私は事故った。自転車には慣れているし、このツアーに参加するのも初めてじゃないからと高をくくっていた。猛暑ということもあり、スカートで、そして自転車に慣れているという慢心から、スタート合図に慌てて男性用のサイクリング車を掴んでしまった。サドルを落としても足は片方しか着かない、でも、もう皆待ってるから今更女性用の低いのには替えられないと思いそのまま参加、それが馬鹿だった。
始めは快調だった。サンジェルマン界隈をチャリ散策しているときは足が着かないことも気にならず鼻歌も歌えた。サン・ルイ島で停車してみんなで名物ベルティロンのアイスクリームをほおばる時も楽しかった。しかし、悲劇はその後に。。。横断歩道を渡ろうとしたら、乱暴なドライバーが急ブレーキを掛けたので前列の人たちがいきなり停車しだした。皆は順序良く停車しているけど、足の着かない私は足がサドル前のバーに絡まり背中からのけぞるように転倒。最悪なことに地面には石がありそれが私の背中を直撃。聖クリストファーのペンダントが私をまたまた救い、頭には異常なし、その瞬間は背中がちょっと痛かっただけ。すぐにチャリにまたがり皆においついてツアーを続行、終了してから問題が。
解散してから背中が腫れだし歩けない。呼吸も上手く出来ない。タクシーで帰宅した。週末のためかかりつけの医者には行けず月曜日に電話したら、緊急なのに水曜日まで待たされる。出張から戻ってきた同居人はひっくりかえったゴキブリのようにあえぐ私を見て、薬をいろいろ出してくれるものの痛みが治まらない。夜中も痛みでうんうん泣いていると水と薬を持ってきてくれる、暑いから寝返りを打ちたいけど打てないというと暫く起こしてくれて、やっぱりこの人は「ママ」と改めて思う。
パリには英語や日本語さえも通じる病院が郊外のNeuillyヌュイイーにありますが、郊外だからタクシー利用が必須。でも、そこにたどり着くまで、または付近の病院へ行くとしても言葉が出来ないと不安は募るばかり。きちんとした海外旅行保険に入っていれば病院までのタクシー代や通訳費用などもカバーしてくれるらしい。そうなると保険ってやっぱり大事ですよね。
夢路とみこ
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[221]旅のヒント(6)