ワイン好きな人ならバカラのワイングラスは知っていると思います。ワイン愛飲家ならグラスがワインにどんな効果、どんなメリットがあるかということも。私はワインが好きでフランスに来て、二つ持っている異業種交流会のイベントのテーマでもやっぱりワインに関することが多いのです。
「ワインを飲む会」というテーマで飲み会を月に2回くらいやっていますが、平日のアフターファイブのイベントなのでメンバーがなかなか集まらない日なんて、一人で出かけてます。人が来ようが来まいが関係ない。ワインはみんなで飲んでも美味しい、一人で飲んでも美味しい。ワインはとどのつまり美味しい、というのが私の持論なのです。でもその美味しいワインを更に美味しくする道具のひとつがワイングラスなんですよ。
これも私の持論なんですが、思い込みと取られても仕方ありませんが、でも、グラスが良ければ安っぽいワインでもワンランクはアップするというものです。それはサラダドレッシングを作るときにオリーブ油のランクを上げるよりも、お酢に凝る、つまり平凡なサラダ油でもそんなに贅沢なオリーブ油でなくても、使うお酢をワインビネガー以外にシードル(リンゴのサイダー)やフランボワーズ(ラズベリー)、ハーブ入りのお酢にしてみるとこれが不思議なことにかなり美味しくなるんです。お酢なんてオイルと比べると値段はそれほど高くないし種類もいろいろあるので、こちらに凝ると安い材料でランクアップのドレッシングが出来ます。
ワインについて言うならば、上質のシャンパンフルートで飲むと安めのシャンパンが高級シャンパンのように泡が、つぶづぶが長く弾いているんですよね。それはグラスのカットや使われているクリスタルの量によると、その昔、ロレーヌ地方のクリスタル工房見学をしたときの職人さんの説明で知りました。
ワインに凝りだした頃、著名なグラスで試飲をする機会がありリーデル、ミカサ、バカラ、サンルイ、クリスタルダルクといろいろ試しましたが、この中で私のワイン好きに滑車をかけたのがバカラ。日本でその昔、バカラ展がありマハラジャテーブルが来たときは横浜、大阪まで追いかけ、そして今はロレーヌ地方のバカラまでやっぱりこれを見に追っかけて行きます。
バカラにあるこの美術館についてはこちらをどうぞ
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/54377820.html
夢路とみこ
[320]ロレーヌ地方ナンシー観光
この地方の首都ナンシーはフランスでも特にアールヌーボー建築で知られる町です。アールヌーボーは浮世絵に影響を受けたフランスの芸術家たちが起こした「ジャポニズム」に起源があると聞いた事がありますが、パリ万博で始まったこれがどうしてナンシーなんだ、という事は未だに知りません。というか、私の勉強不足によるものなんですけれど。
でも、この町はエコール・ド・ナンシーに代表されるように「アールヌーボー」一色の町。ナンシー在住の方には申し訳ないのですが、ここは「花より団子」の「お花」それも「華」なんだと思います。町全体がパリ16区みたいな感じ、いや16区をもっと庶民的な雰囲気にした感じというのが正しい観測かもしれません。アールヌーボー建築があまりにも身近すぎて、気をつけて見ないと見落としてしまうかもしれません。それくらいに頻繁にあるのです。
ナンシーは好きで船の仕事と個人旅行で何度も行っていますが、何度行っても飽きない町の一つです。飽きないけど、1回の旅行は2泊くらいが丁度良いかなと思ってしまう事も。
この町はそれほど大きな町でないのか、主だった観光名所はスタニスラス広場の周辺に集まっていて、それ以外はアールヌーボーの建築を散策しながらゆっくりと楽しむ過ごし方をお勧めします。アールヌーボーファンなら見逃せない美術館が2つ。ナンシー美術館とナンシー派美術館。日本語訳の名前が似ているから間違えそうですが、場所も内容もかなり違います、でもどちらもお勧め。ナンシー美術館にはクリスタルメーカーのドームのコレクションが地下の展示室に数百点ほどあり美の歴史に魅了されます。ナンシー派美術館はスタニスラス広場とは全く反対の方向で駅を挟んで市街とは全くかけ離れた、でも徒歩でも行ける距離、にあります。こちらはまるで木造植物園の中にいるような感じですね。「浮世絵」からヒントを得て派生した芸術だけあって、日本人の審美への感覚に訴える何かを感じます。
最後にここは「花より団子」の「花」の方なのでガストロノミーについてはまだ私はこれと言った美味しいお店には巡り合ってません。ナンシーへ行く回数が少なすぎるのか。ワインもやっぱりここではアルザスを注文してしまいました。
こちらもご参考にどうぞ
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/54361026.html
夢路とみこ