この町に夏の訪れを感じさせてくれるのはEstivade(エスティヴァード)と呼ばれる一連の夏祭り。毎年6月下旬から3週間近く続きます。この間は市内に散在する公園や広場で無料のコンサートや民族踊りなどのイベントが毎晩のように繰り広げられます。この時期になると私のスケジュール表も毎晩のコンサートはしご予定で真っ黒。今年はディジョン・プラージュもあり(9月3日まで)一層華やかな気がします。これに先駆けてか、5月下旬にやっとPuits de Moses「モーゼの井戸」の改修作業が終わり一般公開が再開。2000年にここに来たときからずっと作業中でいつになったらこれは終わるのかとやきもきしてたけど、すっかり綺麗になり彫刻ファンを魅了しています。
イベント会場となるのは大公宮殿の中庭やその前に広がるリベラシオン広場を始め市内に散在する庭園や公園などなど。以前にもこのメルマガで紹介した、我が家の傍にあるアルキュビューズ庭園もそう。ディジョンの凱旋門、ギョーム門近くのダルシー公園でのコンサートも良い。駅から徒歩15分位で行けるカリエ・バキン公園はイベントがなくても行きたい公園のひとつ。夏は結婚式が多くお式の後の記念写真撮影場所として人気のスポットはアルキュビュースとこの公園。散歩していると良くどちらの場所でもウエディングドレスをまとった花嫁さんと出くわすことが多い。この公園の中にはミニミニ動物園みたいなものがあり、私が気に入っているのは毛だらけの白い牛と星占いの雄羊坐のマークそのものの角を持った羊、それも黒い羊。こんなもの日本では見たことがない。
[120]カンペール発日帰りの旅
ブルターニュ旅行の起点の一つにカンペールを選ぶのは賢い選択と思う。秘境、ケルト文化宝庫なのはブレストを起点に海岸沿へ。でも、可愛い田舎町を訪れたいのならやっぱりカンペールの方がよかんぺーるでしょう。
まずカンペール駅前から出発する郊外行きバスは豊富。ゴーギャンを始めとするポンタ・ヴァン派と呼ばれる芸術運動の舞台、ポンタ・ヴァンへのバスは Concarneauコンカルノーという港町で乗り換えして行きますが、この港町が素敵。バスから降りたら早速潮の香りと漁船が目の前に広がり、気分は演歌。南仏エイグ・モルトよりも小規模な城壁に囲まれた観光地です。月から土曜までなら駅発8時30分のバスに乗ると9時に到着、(日、祭日は別時間)ここから乗り次のポンタ・ヴェン行きは12時30分だからゆっくりと城壁内のお土産店を見たり、城壁を登れば港が一望出来てこれまた素晴らしい。ここには MOFのチョコレート職人の店があったり、カンペール焼きも充実。魚釣りが好きな人のためにはMusee de Pecher、漁師博物館もあります。