[117]レンヌの見処、味処

ブルターニュは秘境らしい、でもそれは多分、大西洋に面したフィニステールの方を意味するのでしょう。そんなことも知らず「秘境、秘境」と日本の屋久島みたいなものを頭に描いてレンヌに来たからちょっとがっくり。到着したのはディジョンよりもはるか都会でメトロと市内バスが網羅する学園都市がそこに。ここは観光で来るよりも留学などの長期滞在の方が合っている気がした。長く住めば住むほどその良さがにじみ出るような味わいのある町のような気がした。
市内にレンヌ大学がありキャンパスが2つ、日本からの留学生も多いと聞く。1967年レンヌと仙台市が姉妹都市提携しているというのが理由なのかもね。キャンパスの近くに2週間から滞在可の家具付アパートがあるのもさすが学園都市らしい。また市内にはレンタル自転車があって短期の語学留学でも快適なジモティ暮らしが出来そう。
町中には運河が流れ船もちらほらと係留していています。フランスはガリア時代にローマ軍が物資運輸のために運河の基礎を作りそこから都市が繁栄したと聞いていますが、現代にも残るそれを見るたびにこの国の偉大な歴史を感じます。
観光スポット代表のタボール庭園はバラ園が有名らしいけどバラの開花の季節以外はただの広い庭。今の季節はチューリップが綺麗でした。横浜で毎年開催されるチューリップ祭りの方が種類いっぱいあるかな、とも思いきや。でも散歩には格好の庭園ですし、昼寝にはもってこいでした。

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[114]銘醸街道城巡り(2)

日曜日の朝ディジョン11時10分発郊外行きバスに乗る。銘醸街道を下りボーヌから10キロ先にあるムルソー村へと向かう。所要時間90分。バスは村の入り口、11 Novembreに停車するのでディジョンへ帰るときも同じ場所から乗車します。そこからまっすぐ下るように村の中に入ります。丁度、ランチタイムに差し掛かっての到着だから村役場の前の広場に幾つもあるレストランで昼食なんてどうでしょう。すきっ腹の試飲は悪酔いのもと。それにどのカーブもしっかりとランチタイムの休憩は取るので午後開館は大体2時過ぎです。
ブルゴーニュワインの白の代名詞はシャブリですが、高級品となるとやっぱりムルソーが勝ち。同じシャルドネ種の葡萄で作るワインなのに土壌が違うと色も風味もこんなに違うものかと関心させられる。11月に開催される「栄光の3日間」の最終日はこのムルソー村での昼食会だが、これはかなりステータスの高いイベントで業者の人でもなかなか中に入れないというタイソウなものらしい。では観光客がムルソー村のワインを楽しむにはどこへ行けばよいか。ではではシャトー・ド・ムルソーへどうぞ。

シャトー・ド・ムルソーは外観からしてもエレガントなシャトーです。15ユーロで試飲用グラスを買い館内を見学しながら試飲します。シャトー内にはベルナール・デュブッフの作品を中心に素晴らしい絵画コレクションが展覧されています。これは常設展でときどきバカラクリスタルの特別展などもあったりするのでその美術展もここを訪れる一つの楽しみの理由。絵画を眺めながら進むとビデオコーナーがあり、シャトー・ド・ムルソーと所有する畑とそのワインについての紹介ビデオが仏語版と英語版と2回に分けて10分程度の上映があります。そうこうしているうちにだいたい1時間が過ぎて、お目当てのワインを探しに地下へ進む。
地下のセラーには樽がズラリと並び樽にまで気品を感じるのは私だけ?ムルソーのワインは辛口で香りが高く高貴な感じがします。フランスにあってもお値段がやっぱり高いのでシャトー見学試飲は大酒飲みの私には願ったりかなったりのチャンス。天気の良い日はシャトー内の庭を散歩する、またはバス停までの道のりに日曜日でも見学試飲が出来るカーブがいくつかあるのでそれに寄って見るのも良し。
ディジョンに戻るバスがこの村を通過するのは午後6時過ぎ。ディジョンに着くのは7時30分頃。日曜日の観光としてはおあつらえ向きなのでは?
シャトー・ド・ムルソー
http://www.meursault.com/meursault

夢路とみこ