[069]ラパンアジル

パリのナイトライフで私が気に入っているのはシャンソニエ。モンマルトルにあるラパンアジルはかつてエディット・ピアフやイヴ・モンタンが出演し、エリック・サティが常連だったという。ユトリロや作品の多くにこの店やその界隈を残したと言えばこの店がいかに由緒んもある店かお分かり頂けるでしょうか。
この店に魅せられる理由のひとつに出演歌手の歌うシャンソンがナツメロからオリジナル曲に至るまで全て感動的である事。集まる客層が観光客のみならずパリの人達もいて本当に大人の社交場、パリに来たと言う感じがします。
店内は照明が暗く落されアップライトピアノが古き良き時代を思わせます。壁にはユトリロを始めロートレックが描いたアリスタッド・ブリュアンの絵やレトロな写真で溢れています。営業時間は午後9時から午前2時まで。途中の12時半頃から約2,30分のスタンダップコメディー(漫才)が入ります。仏語と仏語のジョークが分からないととても眠い時間です。それ以外は専属歌手の人達が入れ替わりにアコーディオンやギター、指まで楽器にして素晴らしい歌声を披露してくれます。

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[068]アールヌーボーしてる?

してる、してる、とってもしてると大声で言いたくなるのがナンシー。アールヌーボーとは19世紀に始まった近代芸術のひとつらしく、その土台となっているのが日本の浮世絵らしい。明治維新で日本がその扉を世界に向けて開き文明開化が始まった。昔の人は浮世絵の芸術的価値にうとかったのか、日本から輸出された陶器の包み紙が浮世絵だったとか。草花が生き生きと描かれている絵の中にヒントを得てエミーユ・ガレやルネ・ラリークが産み出したのがアール・ヌーボーらしい。
パリ16区、パッシーにはこのアールヌーボー装飾のアパルトマンが多く立ち並び、写真好きの私には格好の場所。ディジョンも同様です。しかし、パリやディジョンはほんの一部、もちろん目の保養にはなるけれどアールヌーボーを満喫したいのであればやはりナンシーへ。
駅周辺あら市内にかけてとにかく凝った装飾をした建物が多くてアールヌーボーしてる、してる。世界遺産であるスタニスラス広場までは歩いても20分くらい。アールヌーボー建築ウォッチングの為には歩くのがベター。広場の門はやはり指定を受けるだけあり見事なモン(門)。

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