[316]フォアグラ教室

昔、船で仕事をしていたころ、私たちの船は毎週木曜日がガラディナーでした。ガラディナーというのは晩餐会で、6泊7日の船旅の最後を華やかに飾るための特別なメニューを用意するものでした。そのため、どの船のシェフも決まってフォアグラを用意するのですが、このフォアグラ、調理の仕方がいくつもあって一番私たちが知っているのはテリーヌ。
この教室を開催しているのはフォアグラ農家出身のマダム・マルティーヌ。さすが南西出身というだけあってちょっとスペインの明るさが入っている。ご両親がォアグラ農家だったという事でフォアグラの歴史からその調理まで料理教室の時間内で教えてくれます。教室は平日はマダムの自宅で定員8名までのこじんまりとした雰囲気の中でやるようですが、私が見学した日曜日の教室はレストランを借り切ってでの講座。作る場所はキッチンではなくダイニングルーム。定員は14名までで、テーブルの上にまな板やその他の道具を用いてやります。
午前10時半にチェックイン、そこから11時ごろまで参加者の皆さんと自己紹介を交えてのコーヒータイム。みんなが揃ったら各自生フォアグラをもらい自分のお席へ。まずは血管の処理から、これが大変なんですよね。ぺティナイフを上手に使わないとうまく取れないのですよ。フォアグラの味付けにはアルコールを使うのですが、それはやはり南西の特産品であるコニャックやアルマニャック。これらを使うときは香りもアルコールも強いので少量ですが、ソーテルヌを使うときはアルコールがこれらよりも弱いので少々多めに入れてもよいとのこと。私はコニャックのような強いアルコールは苦手なので、ソーテルヌかな、それにソーテルヌならアイスピックを作ってフォアグラの隣に飾り付けできるから更に便利のような気がします。
調理が終わるのはだいたい1時ごろでしょうか。スパイスで味付けしたフォアグラをビンに詰めてそれを裏のキッチンへ持って行き湯煎にかけるのですが、このキッチン、レストランのキッチンとは思えないくらいの狭さ。まるでどこかの職人の工房のようです。作ったフォアグラ、そのまま冷蔵庫保存で3ヶ月の保存可だそうです。パリで作ったフォアグラを日本でホームパーティでみんなに振舞う、良いですね。
こちらもご参考にどうぞ
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/51394158.html
夢路とみこ

[315]フルヴィエール聖堂

私がリヨンとパリが似ているとよく思う理由のひとつにこの聖堂があります。ここへ行くには旧市街のサンジャン教会傍にあるフニキュレールというケーブルカーにのって丘の上に行きます。ここまでだとモンマルトルのアンヴェ~ルからやっぱりここもこれにに乗って丘の上まで行くから同じなのですが、リヨンの場合は上に行くのに2つの路線があり、ひとつはこの聖堂の前まで、もうひとつは別の場所に行くので間違えないように。
ずっとその昔、ローザンヌに住んでいたころ、レマン湖湖畔に行くのに駅付近のケーブルカー乗り場からこれに乗って下っていったものです。不思議なことに20年まえは将来またこれを身近に感じる生活の場所に住むとは全く思わなかったのですが、ご縁なんでしょうかね。
この聖堂はその歴史は古く、中を見学すると日本語を話される神父様がいるのでびっくり。何度かお目にかかり行くたびに「よかったらこれを読んでください」と冊子みたいなものを下さるのですが、神父様がいかにして日本語を学ばれたのか、日本語を話せるならリヨンの聖堂よりもパリのサクレクール聖堂にいたほうが良いのではないか、と思ってます。
聖堂の歴史や建築について何度かうちの船のガイドの説明を受けて、かつては通訳をしてたのですが全く忘れちゃいましたね。しかし、ここからの眺めは素晴らしいこと、夜になるとイルミネーションでこの聖堂がカラフルになること、そこばっかりは覚えています。ここからリヨン全景が見えるのですが、オペラ座のトースター、クレディリヨネのえんぴつ、ソーヌとローヌの中州などコンパクトになっているので写真スポットとしては完璧。
中世のペストの時代にはリヨン市民の病院として、第1,2の二つの大きな大戦の時代には市民が最初に救助を求めて逃げ込んだ場所、それがこの聖堂のようです。また聖堂の近くにはローマ時代の遺跡であるローマ劇場跡があり、今も夏になると野外劇が公演されるそうです。
まずは聖堂の見学、そのあと劇場の見学をしながら旧市街に向かって歩いて降りて行くことをお勧めします。夏ならばとっても快適な散歩になるし、またこの坂道沿いにはたくさんの昔風の家屋がありメルヘンチックです。
こちらもご参考にどうぞ
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/51366375.html
夢路とみこ