[022]スミュール・アン・オーソワ

ブルゴーニュ=ワイン、ディジョンを出るとすぐに葡萄畑が広がるというのは嘘ではありません。でもブルゴーニュはそれだけではないんです。確かにワインの方が有名ですが、白牛のシャロレーだってブルゴーニュの特産品。ディジョンから3つ星シェフのロワゾー氏のいるソーリューに向かうとモルヴァン地域へと抜けます。そこは葡萄畑ではなく緑の丘陵地帯に白いシャロレーが放牧されて美しい緑と白のコントラストが楽しめます。谷間に広がる小さな村落など銘醸街道とは違った景色が広がります。
そのモルヴァンにあるSemur-en-Auxoisは絶景を持つ観光地です。時々日本のガイド本にも景観写真が掲載されますがほんの一部。画家や写真家にとても受ける村です。中心地にある教会のステンドグラスはワイン醸造家や鍛冶屋のギルド、第2次世界大戦時の米軍上陸の様子がモチーフとなっていて一般のステンドグラスとは一味違います。
教会の脇を降りて行くと川に出ます。その川から見上げる古城、ローマ水道橋の2ヶ所が絶景ポイントです。中世のなごりがとても良く出ています。ブルゴーニュはシーザーのガリア戦記の舞台になった地方なのでローマ建築の影響は田舎にたくさん残されています。また、洗濯船もあるので見逃さない様に。現在は使用していませんが昔の井戸端会議の声が聞こえそうなくらい原形を留めています。

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[021]思いで深いワイナリー巡りのために

春になり銘醸街道も葡萄の新緑絨毯で埋め尽くされる様になりました。ワイナリー巡りには快適な季節です。ボーヌの大きなネゴシアンのカーブで試飲という手もありますが、これからの季節はやはり貸し自転車で銘醸街道をサイクリングしながらワインガイド本を片手に造り手のドアを叩きたいものです。
リッチにそしてエレガンスに溢れるワイナリー巡りと洒落てみるのなら、銘醸街道沿いのホテルに連泊して自転車で畑を見る、地元観光やショッピングというのはどうでしょう。そして夜はゆっくりと星空の下、テラスで郷土料理とワインを味わってみては。毎日長時間満員電車に押しつぶされ、片付けても片付けても増えるだけの仕事に追われる、頑張る自分へのほんの僅かなご褒美の贅沢。生きていて良かったと思わせる旅となるでしょう。
ディジョンからバスで30分、モレイ・サン・ドニにあるホテルレストラン、CASTEL DE TRES GIRARD(カステル・ド・トレ・ジラール)は自分への「ご褒美旅行」にぴったり。天蓋付のお姫様(王様でも可)ベッドで優雅な目覚めを迎え、窓を開けると目前に広がるのは一面の葡萄畑。気分は高級ワインのワイナリーオーナー。
その畑の本当のオーナーはユベール・レニエ氏。ブルゴーニュワインのマニアならこの人のワインを知らない人はいないかもしれません。クリスティーズのワインオークションで競り落とされた事、TV朝日のニュースステーションや日経BPブックスにも紹介された事のある有名ワイナリーです。国道74号線とカステルの間に広がる畑の収穫を去年は私もお手伝いしたので余計にこの近辺に愛着を抱いています。

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