[302]隠すべき人

知り合いの既婚仏人女性がホームパーティをするので、お料理を作ってくれないかとの連絡を受け、30人ほどの料理を作るための打ち合わせに出かけました。彼女は熱心に招待状を作っている、ぶつぶつ言いながら「彼女は独身ね」「彼女の先日のドレスはセクシー過ぎたわ」とそしてその彼女たちの名前は招待リストから消されてゆくではないか、何やっているんだろうと思い聞いてみたところ、女性招待客の選別をしているらしい。どうしてと更に聞いたら薄笑いをしたのみだった。

ちょっと不気味だったので共通の知り合いの仏人男性にその話をしたら、即答で「それは旦那の浮気防止だよ。彼らには子供が二人、今、彼に他の女に走られたら彼女と子供たちは路頭に迷うことになるからね」と。はぁ~なんじゃこりゃと思ったのですが。でも、浮気にかけてはヨーロッパ随一かもしれないこの国の男性だからそうそう疑う余地はなしかな。

そうそう、ときどき聞く日仏カップルの破局話の原因の大半に知り合いの女に取られたというのはある。日仏カップルはその8割強が崩れると聞くけれど、その原因の一つは浮気、それも、他の日本人女性に走ったというもの。で、その浮気相手の女性は、まったく知らない相手ではなく、親しく付き合っている友人というのも多い。つまり、友人だからカップルの住むところによく遊びに来るし、一緒に外出することも多い。特に私たち日本人女性は現地人の彼が出来ると「ご披露」したがるので。ご自慢の彼なら二人の関係が確固たるものになるまで「隠す」のがいいみたい。

それは私にも無きにあらずの話で、「これはもしや」と思う現地男性と交際していて私の異業種交流会や友人宅のパーティなに一緒に同行してもらっているうちにやっぱり「他の日本人女性」へと走って行かれたことは一回や二回には留まらず。最初は日本人だと思って付き合ってみたら、中味はかなり西洋かぶれしていると分った途端に、彼らのイメージする日本人女性に走っていった。走らずとも速攻体制をとりながらだらだらと付き合う理由の裏には、私を通して知るほかの日本人女性との出会いを計算して。ご丁寧なことに、私の元彼もどきと付き合う女性達はいちおうに「彼とお付き合いして良いですか」みたいな許可を取りに来るのもなんか変ですよね。でも、自慢したいのかなんなのか良く分りませんが、その頃には私も完全に醒めてるので「どうぞご自由に」ですけど。
夢路とみこ

[301]改めて異業種交流会

パリに来てすぐに入った国際異業種交流会、エクスパット・パリに席を置いて2年半、ここでアシスタント・オルガナイザーとしていろいろなイベントを企画して交流を試みました。それは私のネットワークに非常に役立つこととなり、パリにいながら世界中の人たちと知り合え、また、それが単発ではあるけど仕事に繋がることもありました。でも、リットも大きければ、デメリットも同じくらい大きく。

私の企画するイベントは少人数の食事会や私の十八番である観光案内をベースとした地方への小旅行。パリに来る日本の文化イベントへの見学などなど、私だからやれるというものをデカイが空っぽの頭で一生懸命考えてやってきました。そのユニーク性と頻繁さが買われて、私のイベントはすぐに満席になりましたが、その分、参加出来なかった人からの陰口もひどく、バーチャルな世界は怖いと思ったのもこのときばかり。

一番悩まされたのは夜中の電話。エッチ電話ならともかく「ラパン・アジル、ラパン・アジル、明日のイベント参加したいデ~ス」(訳すとこんな感じになりそうな英語であった)みたいな電話が何度も。食事会に行けば行ったでワインを一緒に飲んだ人は割り勘よ、自分の食事は自分で払ってね、と念をおしているにもかかわらず必ず一人か二人、払わない人がいて、帰ろうとするとレジでお店の人に呼び止められ合計額が合わないんですけどといわれ幹事である私が払う羽目に。

一番むかついたのは、アジアハンターの親父やギドギドした兄ちゃんのメンバーに言い寄られ、最初は外交的に丁寧にお誘いをお断りし、うざったくなったらはっきりと「好みじゃない人とデートするほど焦ってないし、時間の無駄ですから」と言ったら私への悪態は私が絶対に参加しない、この会の「飲み会」(100人近く集まる芋のごった煮のような会)でつくし。もう、こんなのやってられるか、と堪忍袋の尾が切れて、でも、ここで築いたネットワークや得た友人たちとの関係を続けたいので、自分の異業種交流会を二つ立ち上げました。

パリで日本の文化を楽しむ会
フランスの観光スポットを楽しむ会
夢路とみこ