2軒目の同居先を出たとき、もう一人の同居人の女性は私の最初の同居人の家へ、私は異業種交流会で知り合った人の所へ。交流会で合っている時は楽しい人だな、ワインが好きという所は私と合うと前向きだったのですが、いざ、一緒に生活してみるとすごいことに。これってどっかの出会い系のパーティで知り合って、付き合い出し、一緒に暮らすようになったという流れに類似しますが、私達はそういう関係でない分、金銭関係で繋がっている分、その不満と驚きが頂点に達したとき、簡単に退去する事が決められる、後ろ髪を引くものは全く無かったです。
まず何事もマイペースの同居人は他人への配慮というのは全くなし。自分が「今こうしたい」と思ったらすぐ行動に起こす、先にそれを使用している人が終わるまで待つ、という感覚は全くなし。音楽が聞きたかったら夜中だろうがボリュームを上げたいだけあげ、喋りたい事があったら、聞いている私が半分転寝してても喋る。週末のパーティは午前様、週末に早朝出勤があった時は隣の部屋から漏れてくる光と騒音で全く眠れず。冷蔵庫に保管していた私の食材は「入れたいものがあったから、スペースないから捨てた」と平気で言ってのける。2月に肺炎で半分別世界に行きそうになったときも全くしらんふり。ドア越しに「元気」と覗き込むのみ、医者すら呼んでくれなかった。
でも私の堪忍袋の尾が切れたのは、外出中の私の部屋に入っては換気だと言い窓ガラスを開けっ放しにして外出してたり、気分しだいで家賃をいきなり上げてきたり。税申告をしてない彼は賃貸契約書はもちろんのこと、毎月の家賃の領収書すらもしつこく言わない限りだしてくれない。出しても「これを公の場所に持ってゆくなよ」と念押し。
私の不在中に部屋に勝手に入ってくるのは共同生活としてルール違反。家族だって入らないのが普通なのに、とクレームをつけたら「ここは僕の家だ!」の一点張り。私はお金を払って部屋を借りてるのよ、と反論しても帰ってくる言葉はオウム返しのような上記の台詞。住みだして1ヶ月後にはもう、口も聞きたくなくなり食事も自分の部屋でするように。
最終的には向こうの方から、家賃の値上げを一方的に通告して来た時のように、「同居は止めたからさっさと出て行ってくれ」と。
ここに住んで約半年、限界に達してきたので新居を探し、出てゆくときは夜逃げのように友人の助けを借りて退去。独立生活に入りました。
夢路とみこ
[285]同居から独立生活へ(2)
2軒目の同居生活は4ヶ月間。この家は70代になる老人と30代の女性との奇妙な3人暮らし。この彼女と私はすぐに親しくなり、二人でバリケードを組んで、そして4ヶ月後にこの家を出てゆくということになりました。
いやぁ?この家でびっくりしたのは、この70代の彼のお盛んなこと。ネットでハントした女性が変わるがわるにこの家に滞在し、はるか遠い外国からもお見えに。女性たちはネットと電話だけでのお付き合いだからパリに来て対面したのが、巨漢で不衛生な老人であることに度肝を抜かれ2、3日で退去しましたが。それでも追う男と「パリ」という場所に魅せられて現実を知らずに来る女性の数々。
でこれって、留学前にネットで相手を見つけてパリに到着するなり暫定彼のところに転がり込んで、次の彼が見つかるか、その彼に追い出されるまで住み着いているという最近の若い留学生の女の子たちに共通するものがあるような気がします。ただ、この場合、暫定だった彼と暮らすうちに本気になって結婚するケースもあれば、一緒に暮らした途端に彼が豹変して暴力的になったり、マザコンぶりを発揮したり、彼女のつながりでほかの日本人を知るようになり浮気症大全開というのも聞く。
部外者の私と彼女は奇妙な4人生活をしていました。しかし、年金生活のおじいちゃんのハント生活に経費がかかりすぎ、入居者私たち二人に家賃の前払いを頻繁に要求するようになり、同じ同居人の彼女の部屋には無断で入るなどのトラブルが。おまけに共同使用のキッチンやトイレ、シャワーはいつも汚す、二人が掃除しても週一のお掃除の人が来てもいたちごっこ。彼女も私も仕事から戻ってくたくたの中、話し合いに挑んだが暖簾に腕押し。
そこを出てしばらくしたある日、友人とその奇妙なおじいちゃんの話をしていたら。彼女が「そのおじさん、知ってる、何年か前に私の知り合いの女性もそこに住んでいて2ヶ月で出て行ったわよ」と。これに類似する話は他にもあり、とある初老男性は格安の家賃で日本人女子留学生をハントしている人もいる。憧れのパリに少しでも長くいるため家賃が安くなるなら、という合意の元にそういう関係になる人も少なくはないらしいけど。同性との同居はお手伝いさん代わり、家族のところはベビーシッター代わり、異性は愛人代わり。。。いろいろな結果があるという事も危惧すべき点かもしれません。
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