お金を使わずに楽しむ方法を知るフランス人に見習って私もピクニックはよくしますが、去年の春はサンマルタン運河付近の公園でお花見をしました。場所は良かったし、国際異業種交流会エクスパット・パリからは50名以上のメンバーも集まり楽しかったのだけど肝心な桜が少ししかなくって「淋しかった」とのコメントが。
じゃあ今年は名誉挽回と思いパリ近郊で「桜の名所」と呼ばれるParc des Sceaxソー公園を提案することに。ここへは昔の同居人と良く車でピクニックに出かけましたので場所としてはよく知っているところ。その広さと優美さはさすがフランスといつも圧巻したものです。
日本で言う公園のイメージからちょっと離れていてプチプチヴェルサイユの庭という感じかしら。大運河があり、ジュネーブにあるような大噴水があり、現在はイル・ド・フランス美術館になっている古城があり、そしてなんと言ってもすごいのは良く手入れされたフランス式庭園。フランスに来てロワールの古城巡りが出来ない、ヴェルサイユに行く時間がない、でも、フランス式庭園は見たい、という方には売ってつけの場所ですよ。
この公園に行くには幾つか行き方があり、今回は「桜の名所」の場所にスポットを置いてそこに行くには一番近い駅からの道のりを紹介します。
パリ市内はシャトレ、サンミッシェル叉はダンフェール・ロッシュローの駅からRERのB線はSt Remyなんとか行きに乗り、La Croix de Berny下車。ただし、この便は必ずしもこの駅に停車するとは限らないので掲示板に車両名PEPEと通過時間が書いてある事を確認してから乗車。重要点、パリを出る駅から往復の切符を購入すべし。公園の駅は無人駅が多く自動販売機はカードかコイン以外の現金は使えないので切符が買えないと帰りの便に乗れませんよ。
降りたホームから階段を昇り隣のホームの出口から改札を通って(要切符)外に出ます。目の前の横断歩道を渡り進むと公園の南入り口になります。美しい並木道をまっすぐ進むと左手に売店、目の前にピンクのレンガに青いドアの白い建物があり、これの裏がトイレ。
この場所を右に曲がると大運河が広がります。大運河を前方に取り左側にまっすぐ進むと桜の木が所狭しに植えられた一角が。そこはまるでパリ上野公園。
ソー公園のサイト
http://parc.de.sceaux.free.fr/index.html
夢路とみこ
[269]パリ、工芸・技術博物館
日本から仕事で来た友人と散歩にでもと思ったら、外は強い雨が。パリは雨に伴って強い風が吹くことも多く、突風で何本傘をやられたことか。この8年で飲んだワイン代よりも傘代の大きいような気がします。それくらいフランスの傘はちゃち。ここでは傘よりもレインコートと雨避けの帽子と防水の靴とかが役立ちます。
友人はツアコンでパリなんてしょっちゅうだから仕事で行かないところ、雨よけになる所。という事で3区、メトロ:Artset Metier駅にある工芸・技術博物館へと。駅を出ると目の前には大きな建物が教会に繋がるように広がる。そう、これがそれ。見学は2階(日本式の3階から下るようにして見るように案内されています。展示されているのは巨大な印刷機や初期のスーパーコンピュータなど。
テクノロジーの進化について興味がある人には面白い場所だと思います。1階の材料、資材の展示室まで来ると手工芸を駆使した職人の技、花瓶や皿、ガラス製品などがあり、奥にはエミーユ・ガレの作品、セーヴル焼きなど、私好みのものが。そして同階の通信関連の展示室にあるカメラには、もしやこれは産業スパイのためのもの?、007のカメラ?みたいなものが。そして懐かしいオリヴェティ社の手動タイプライター。私は18歳の時にブラザーの手動タイプライターをしょってテキサスの大学へと留学した事を思い出しました。
0階には美術館カフェ、日曜日にはイタリアンの食べ放題ブランチがあり、美術館とブランチのセットチケットが19ユーロ。これはお得だと思う。カフェを過ぎてその先の教会へ行くと外観は教会、でも中身はクラシックカーや自由の女神のレプリカ、飛行機などが展示されています。教会の天井の高さや光の入り具合を上手に利用している画期的な展示室。こんな大胆な構造はパリにしかない?
私はこんな場所で大好きなアール・ヌーボーの作品や陶器を見れる事に、一緒に行った友人は世界のゲームファンを虜にした「任天堂のゲーム・ボーイ」が展示されている事に感動。
MuseeArts et Metiers
60rue Reaumur 75003 tel: 01 53 01 82 00
http://www.arts-et-metiers.net入館料:6月30日まで無料、それ以降6.50ユーロ
日本語の見学案内、オーディオガイドあり
月曜、祭日閉館、火-日の10時-18時、木21時30分まで
夢路とみこ