[254]エクスパット・パリ

以前、異業種交流会で紹介したこの会、最近メンバー1000人を超え、イベント100回を超えた記念行事として、この会が最初に発足した時のイベントと同じ「モンソー公園でのピクニック」がありました。
この会が発足した2003年はまだ私はディジョンにいたのでこんな異業種交流会なんて想像もしたことなかったのですが、今は、この会を支える6人の副幹事の一人です。この会に参加したのは去年の秋、この2月には副幹事としてイベント企画に積極的に参加することに。人の縁なんてどこでどうなっているのか全く分らないものですよね。
幹事のアンディが私に副幹事の誘いをしてくれた理由は二つ。一つは私が参画することで在仏日本人コミュニティーを引き込みたい、という事と。私の仕事は観光関係だからイベントに相応しい場所と企画を期待して。で、やり始めて半年経ちましたが、ここで私は多くの事を学びつつあります。
ネット上でイベント情報を流し皆で合流して何かをするというところから比較的に人は集まりやすく、それは「出会い系」と「ネットワーク」の役割をうまくこなすような会です。イベント企画者が7人もいるとそれぞれの個性が出て、また参加者にもそれぞれの幹事についてスタイルが出来つつあります。
例えば幹事のアンディ、彼の朝食会はいつもオペラ座付近のスターバックス、ここはかなりシックな雰囲気でパリらしい。昼食会は、モンソー公園の近くのブラッスリー。場所柄か結構有名人が食事に来るらしく、私が参加したときはデザイナーのラクロワが隣の席にいて、別のメンバーの時は有名俳優が近くだったと聞いた。割安感のあるお洒落な店で気軽に入れる場所。
私の会は、少人数、食に中心を置いた文化系。早く言えば食いしん坊で面倒臭がりだからあんまり気を使わない人数でこじんまりと楽しみたいというところ。これまでは「激安」をテーマに食事会をしていましたが、今後は「ハイソ」をもテーマにしようと検討中。少々高くても誰か一緒に行ってくれるなら行きたい、というホテルのバーやディナーショー、「激安」と「ハイソ」とを交互にすることでまた違った層の仲間とネットワークを広げたいと思っています。
エクスパットパリ
1000回記念ピクニックの模様
夢路とみこ
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[235]パリで異業種交流会

[253]出る釘は打たれる

この言葉、日本にいたとき良く聞いたし、言われた。個人プレーよりも団体行動を重視する日本のあり方にへきへきした時期もあり渡米の原因の一つに。皆と違わなければならない、違うことに利点を見出してもらうためにさらに目立つような行動をしなければならない、それは私がアメリカ滞在中に学んだことのひとつ。
でも、ここフランスでは、特に会社社会ではアメリカ的な個人プレーは嫌がられ、日本のような団体の輪、協調性、同調が多く求められていてなんとなく日本に似ているような気がします。もちろんこれは私の個人的な見解でフランス全体がそうであるとは言い難いのですが。
知り合いのアジア系フランス人女性が最近突然解雇された。突然の解雇というよりも試用期間が終わり本契約にならないままに打ち切られたというものですが。入社当時は海外でのキャリアとアジア系言語を含む三ヶ国語が変われて重宝されていた彼女ですが、ある日女性上司のヘビースモーキングが気になり、それもオフィスで喫煙なので、外で呑んで貰えないかと促してみたところそれが女性上司の癪に触ったらしく、突然態度が豹変したとか。
それまでは彼女をチームの一人として温かく指導していた上司が、その事以来冷たくなり、仕事をどんどんはずして行くようになったらしい。そして社内の喫煙女性社員だけで集まって外で喫煙するようになったけど、この彼女の存在は皆で無視するようになったとか。彼女のある意味では「余計な一言」があるまでは、社内の女性社員同士みんなで温かく接してくれていたのに、と彼女はつぶやくように語ってくれました。
あれ?こんな話、日本でもよく聞くような「村八分」的な行為。フランスはまだまだ喫煙者が多く、女性のヘビースモーカーなんて日本やアメリカでは想像もつかないくらいの数。フランス女性が細いのはこのおタバコの呑み過ぎというのもあるようですが。
しかし、この嫉妬による追い出し作戦、聞いていていや?まるで日本みたいと思ったのですが。フランスは個人主義と言いながらも、全体主義なところはきちんとある。「密告」がフランスの犯罪検挙率に貢献しているとフランス人から聞いたけど、なんとなく頷ける話ですよね。
出る釘は打たれるのが日本やフランス、出ない釘は無視されるのがアメリカ、私は毎日、日、仏、米を相手に仕事をしているので打たれないように避けながら、無視されないように適度に目立ちながらやっています。
夢路とみこ
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