パリにいる数少ない知り合いでのひとり、日本人ジャーナリストの彼女が人脈増大のためにとあるパーティに誘ってくれた。出席する日本人も仏人も学生から社会人までさまざま。楽しい時間はあっという間に過ぎ、こんな短時間で普段会う人とは全く別世界の人たちと一時同じ空間で過ごせる楽しさを満喫。知らない世界がまた広がる。パーティの後、紹介された仏人を交えて食事に出かける。時間は既に10時を廻っていたけどでも地下鉄は12時過ぎまであると「たかを括って」いたのが甘かった。
確かに地下鉄は12時過ぎまであり最終便で駅までは無事到着。ちょっと酔っていた事もあり、足取りが他の乗車客よりも遅れたけど、まさかこんな事になるとは。改札を抜けたら、なんと出口の鉄格子が全部閉まっているではないか。「えー、うっそ!駅員さん構内を確認した気配ないよぉ」と目が白黒してしまった。鉄格子をバンバン叩いて「まだいるよぉー、出して!」と大声で外に向かって叫ぶけんでも人通りの気配なし。
こんなの東京の地下鉄じゃありえない、だって絶対に駅員さんは声を出して構内に人がいない事を確認してから駅を閉めているもの。と頭の中は真っ白で涙も浮かんできた。時計を見るとすでに1時を廻っている。こんな時間じゃ同居人はもう寝てるだろうな、起こしてもどうにもならんだろうな、と思い3分写真へ暖を取りに入る。駅で夜を過ごすのは貧乏な学生時代以来、でも、この歳で再び?悲しい。
パーティとご飯を一緒に誘ってくれた彼女に電話を入れる。徹夜で仕事すると言ってたから一応ご報告まで。機転の効く彼女は、一応安全な場所にいるとは分かっているけど、警察に電話をしてくれて約1時間後に私は3分写真ボックスの中から無事保護された。飲みすぎで喉が乾いていたのと、トイレに行きたくて救ってくれた警官の方々にお礼もそこそこ「トイレ、お水、有難う、さようなら」の4単語で失礼した。ここで教訓、飲みすぎたらやっぱりタクシー利用、新地ではやっぱり邦人との付き合いを密にしなければ。
在住日本人、親日家との交流はここで。
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招き猫・ド・モンマルトル http://www.bonjourparis.jp/
夢路とみこ
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旅行企画の仕事を手伝っていると、呆れる事とちょっとだけ頭に来ることが頻繁にあります。私は自他共に認める位の短気で意地悪なくらいに物事をはっきり言う方なので、ストレートにそれをぶちまけます。でもそれはこちらの欲求不満を単に発しているのではなく、私たちも現地に住む側としてこちらの慣習や事情に精通しているところもあるので、それを日本の人たちにも理解してもらいたい、こちらもプロだから仕事して引き受けている以上は出来るだけのことをするけれど、私たちの先には現地人、フランス人がいる事を知ってもらいたい。
これは旅行の仕事のみならず日本と現地の掛け橋となるような仕事をしていると、商品には関係なく起きる問題。日本側は日本の常識と感覚でこちらに様々な要求をする。請け負う私達には理解出来ても常識も慣習も違う現地人に同じ回答を求めるのは不可。それを理解せずに劣悪なサービスとか能力が低いみたいな言われ方するのは本当に悲しくて情けない。
例えばお買い物。日本では「ただ見るだけ、触るだけ」は大した事でないけどこちらは非常識。店員にあれこれ持って来させ、試着した挙句「やっぱり気に入ったのがないから今度ね」と通訳するその瞬間、私の顔はゆでタコしています。フランスはパリでもコンビニは殆ど見かけないし、流しのタクシーも皆無に近い、辛うじて日曜祝日でも買い物できる場所はあるけれど、それは大都市パリの話で地方はゼロと思ってください。
食事だってそう、フランス人は胃袋が3つあると言われるほどに良く食べます。ただ食べるのではなく食事という芸術を前菜、主菜、チーズ、デザートとあらゆる角度から楽しんでいるのです。だから彼らの胃袋に合わせてシェフは料理するので、私達日本人には多すぎるかもしれません。でも、遠慮せずに残してください。残す方がむしろ「少な目の量で」と手間隙掛かる注文をするよりもお店側としては楽なのです。
フランス人はラテン人です、日本人とは時間に対する感覚が違います。何事にもゆっくり、気分次第なのは私たちが間に入ろうが何しようが性分なので変わりません。むしろ、慣習の違い、文化の違いを楽しむ余裕を持って下さい。綺麗なイメージばかり追わず現実も見て下さい。そして何よりも皆さんの楽しい旅行のために必死になって現地で手配している私たちの事のアドバイスに良く耳を傾けてください。旅の恥は掻き捨てという悪い言葉は忘れて!
夢路とみこ
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