海外出版の日本ガイド本に紹介されている日本の料理は「すき焼き」「しゃぶしゃぶ」「江戸前寿司」とどの本も似たり寄ったり。これじゃあ「フジヤマ」「ゲイシャ」の時代から何の進歩もないような。日本出版のフランスのガイド本だって今では「クロック・ムッシュ」や「ウフ・アン・ムーレット」のような庶民が普段食べる、そして店でも一人前で注文できるものを紹介しているのにね。
私ならこう来る。まずは「立ち食い蕎麦」これには高度成長時代の日本の社会の昼食を「早く、安く、健康的」に支えた貴重な一品だから。そして居酒屋、特に紹介したいのは西新宿の「思い出横丁」ここは敗戦直後の闇市場がこの界隈に建ち並び、市場で売買した後の人たちの軽食を取る場所として戦後すぐに出来た場所。数年前の火事で一部が焼け再興されたけれど、私の行きつけの店「一富士」は昔ながらの佇まいをそのままに残す。ここには古き良き時代、西新宿の「ベルエポック」がそこにある。
[139]ようこそ日本へその4
フランスにはホテルに格付けがありそれは星の数で表されています。でもこの星はミッシュランの星とは無関係です。3つ星クラスにならないとエレベーターやお部屋に冷蔵庫は期待出来ないのがこちらでは一般的ですが、日本は偉い、というかすごい、フランスで2つ星程度の料金で3つ星以上のサービスが受けられる、それが日本のビジネスホテルだと思います。
私が常宿にしている大阪のホテルは涙が出るくらいに嬉しいサービスをしてくれます。大阪で泊まるホテルは健康ランドのような温泉施設があり、女性専用フロアには女性ならではの配慮が行き届いた設備になっています。やはり日本、痒いところに手が届いている。同じサービス業従事者として日本のサービスから学ぶことは常に多く、帰国するたびに反省と吸収の繰り返し。