[301]改めて異業種交流会

パリに来てすぐに入った国際異業種交流会、エクスパット・パリに席を置いて2年半、ここでアシスタント・オルガナイザーとしていろいろなイベントを企画して交流を試みました。それは私のネットワークに非常に役立つこととなり、パリにいながら世界中の人たちと知り合え、また、それが単発ではあるけど仕事に繋がることもありました。でも、リットも大きければ、デメリットも同じくらい大きく。

私の企画するイベントは少人数の食事会や私の十八番である観光案内をベースとした地方への小旅行。パリに来る日本の文化イベントへの見学などなど、私だからやれるというものをデカイが空っぽの頭で一生懸命考えてやってきました。そのユニーク性と頻繁さが買われて、私のイベントはすぐに満席になりましたが、その分、参加出来なかった人からの陰口もひどく、バーチャルな世界は怖いと思ったのもこのときばかり。

一番悩まされたのは夜中の電話。エッチ電話ならともかく「ラパン・アジル、ラパン・アジル、明日のイベント参加したいデ~ス」(訳すとこんな感じになりそうな英語であった)みたいな電話が何度も。食事会に行けば行ったでワインを一緒に飲んだ人は割り勘よ、自分の食事は自分で払ってね、と念をおしているにもかかわらず必ず一人か二人、払わない人がいて、帰ろうとするとレジでお店の人に呼び止められ合計額が合わないんですけどといわれ幹事である私が払う羽目に。

一番むかついたのは、アジアハンターの親父やギドギドした兄ちゃんのメンバーに言い寄られ、最初は外交的に丁寧にお誘いをお断りし、うざったくなったらはっきりと「好みじゃない人とデートするほど焦ってないし、時間の無駄ですから」と言ったら私への悪態は私が絶対に参加しない、この会の「飲み会」(100人近く集まる芋のごった煮のような会)でつくし。もう、こんなのやってられるか、と堪忍袋の尾が切れて、でも、ここで築いたネットワークや得た友人たちとの関係を続けたいので、自分の異業種交流会を二つ立ち上げました。

パリで日本の文化を楽しむ会
フランスの観光スポットを楽しむ会
夢路とみこ

[291]個人旅行でも団体は団体

レストラン側にとって団体というのは有難くともそうでない場合もあるようで。ツアー団体だと定期的に一定の予算で来るから単価を下げても安定した利益になるから有難い客、しかし個人旅行の少人数団体となるとある意味ではやっかいなお客様とも取られるみたい。
ある日の異業種交流会、エクスパット・パリのイベントで食事会を企画。お店の方に「10名で食事したいんですけど」と申し込んだところ、先方からは「女性ばかりじゃ私ダイエット中なのと言ってかっぱ巻きだけ注文する人ばかりじゃないでしょうね」と冗談交じりの笑い声を聞きました。
私達はつとして「~してあげてる」という感覚を持ち易いですよね。皆で「食べに行ってあげている」とう感覚が。しかし、お店にとっては一人30ユーロの食事を10名で300ユーロにしても、2人で一人50ユーロ位の方が正直なところ有難いのです。10人だと長居するし、2人だと長居しても他のお客様が8名の席を埋めて回転さえてくれれば、300ユーロ以上の利益になります。材料の仕入れ、従業員の給料などを考えたらお金を落とさないリピーターや団体よりも、一元さんでも食事が気に入って口コミで宣伝してくれる個人客が好まれるのかもしれませんね。
これについてはショッピングについてもしかり、日本人買い物客はすぅ~と入ってきて、ボンジュールもなしにただ眺めて、触って、静かに消え去るのがつまり失礼な人という印象が残るようです。これに更に輪をかけてすごいのが団体。シャンゼリゼやオペラ界隈のブティークやデパートの中で「XXさん!こっちこっち、ほらこれよ」なんてフロアー中に響き渡る様な声を上げているのはツアー、個人共に複数で来ている人たち。高級ブティークの品が落ちる。
それは日本人スタッフを相手に値下げ交渉やサービスに対する不満をぶつけているひともあり、これも頂けませんね。以前にも「伝言者を撃つな」で説明したように、私たち現地スタッフに出来ることには限界があります。ロボットじゃないのでお客様とはいえども早々言いなりになる訳には行きません。サービスに対する報酬を貰って始めてその人はお客様になるのであって、聞くだけ聞いて品定めして去ってゆく人はまだお客様ではありません。お客様になってない人から「私はお客様なのよ」という威圧的な態度で来られてこちら側の反応が硬直し、返答が無味乾燥なのは仕方ない事なんですけど。
夢路とみこ