ドイツ、スイスからはユーロシティ、ベルギーを経由してフランスからタリス、そしてオランダ各地を行く在来線が忙しく出入りするアムスの駅は国際駅だけあってその構内には様々な売店とレストラン、カフェがあり乗り継ぎ時間の暇つぶしに困りません。駅の後ろは港、商業船もあれば観光船、ホテルバージさえも碇泊。
私の住むディジョンの駅は小さいので構内のキオスクを覗いても、カフェでお茶しても時間を持て余すばかり。でも、市内繁華街まで行くのにアムスのようにトラムやバスを利用する事無く駅前のロータリーを歩けば10分で行けるというのが我が愛すべき町、ディジョンの魅力でもあるのですが。
アムステルダム駅の2番線ホームは旅行者にとって重要な場所です。そこには観光局があり、地図からお土産品まで勢揃い。有料だけどトイレもあればシャワーもあります。お茶をするカフェやスピーディな食事のためのビュッフェレストラン、バーガーキングからエレガントな時間が過ごせるシックなレストランもあります。頼めば英語のメニューも出してくれます。
[024]オランダ その2
船長のリアンに「シーボルトを知ってる?」「ハウステンボスは?」「日本が鎖国していた時代にオランダとの貿易は盛んだったのよ。明治生まれの祖母は私の外国人の友人達を見るといつも『オランダ人』と思っていたくらいなんだから。」とオランダと日本の長い付き合いをアプローチしてみたら、彼は「日本人と接するのは初めてだけど、ヤマハのモーターはとても良い製品。」と言われてしまった。
リアンの言っているヤマハのモーターは「オートバイ」という事ではなく、彼の運転する船、プランセス・ロワヤル号の横をすいすい通る小型モーターボートの事を示していました。私も何度か船のデッキから見ましたが、この水の中の王国、オランダでは水路沿いにボートハウスの多いこと。家族揃って数キロ先のおばあちゃんの家に遊びに行くという人たちが乗っていたボートのモーターもヤマハでした。
私達の船は羊や牛がたむろする田園地帯、艶やかな色がカラフルな絨毯を作るチューリップや水仙の畑、大きな町の繁華街沿いや大型石油タンカー、商業船が隣を走るそんな水路を行きました。永遠と続く緑の牧場に点在する白い牛にただ見とれるばかりのフランス水路に比べ、こちらは走馬灯の様な景色を写真に押さえるのに忙しい限り。