ペリゴール地方にあるロカマドゥールという村は山の頂上の岩肌を利用して町が形成されています。その名前の通り「岩を愛する人」でないとこんな所に町なんかつくらないわよ、と思ったりもしました。周辺には十分に土地があるのに何でまたこんな高いところに建てたの?外部からの侵略を恐れて高いところに町を築くというのなら別に岩肌を彫らなくても、岩の上に建てれば良いのに。ここはまるで皮膚の一部のように岩と建物が繋がっている。プロヴァンス地方にある鷲ノ巣村とはまた違った意味での高山都市、とても見応えがある。フォトジェニックな景観。
この村の中心地には大きな教会があり、その昔ここで数百年も経たミイラが見つかりその奇蹟とも呼べる保存状態に多くの人が畏れ、ここを巡礼したという。巡礼者リストの中にはフランス諸国の王や領主がいるけれどなんとルイ9世、後に聖人になったサン・ルイまでいた。それも2回も来てる。この教会の裏には長い坂があり、エルサレムにあるキリスト受難の坂に準えたコースとなっていて13箇所にキリストの最後を語る模型があります。とても長い坂なので疲れますが今日でも多くの人が登っています。(もちろん下ってもバチは当たりません。)それは巡礼の人もいたりそこからの絶景を楽しむ私のような観光客もいます。ベビーカーを押しながらはぁはぁと息を切らす地元住民も。いずれにせよ、この澄んだ空気で見も心も清められることでしょう。